石油依存度

平成21年3月6日
石油依存度

石油依存度は1970年度の72%から第一、第二のオイルショック後の1980年度66%、バブル時の1990年度57%、2000年度51%そして2005年度49%と低下傾向にある。しかし49%は世界の先進国や大国と比較しても、高い。ちなみに石油換算ではアメリカ41%、日本47%、ドイツ36%、フランス33%、インド24%、ロシア21%、中国19%である。これはオイルショック時に政府が立てた計画とその進捗状況を比較してみよう。
石油危機の時に、石油の安定供給確保を政府は最重要課題として取組んできた。先ず石油依存度の低減、輸入原油の脱中東化、自主開発油田の獲得、石油備蓄である。石油依存度は72%から49%までかなり低下した。これは天然ガスと原子力が大きく伸びたからである。脱中東化は一時成功したかに見えたが中国等が輸出を禁止したことによりあまり進んでいない。自主油田の獲得もままならない。石油備蓄は順調に増えてほぼ一年分を確保できた。
更には省エネ技術の開発や、省エネ商品の開発が待たれる。ホンダのハイブリッドカー「インサイト」がその低価格(180万円前後)と低燃費で売れている。この厳しい環境の下トヨタのプリウスがリッター当り30KM走り、このインサイトも車重の軽量化によりそれに近い燃費となっている。現在日本を走っている自動車は約7千万台といわれる。この燃費はリッター当り15KM程度であろう(軽自動車を含む)。軽自動車以外をすべてハイブリッドカーに置換するとガソリン消費量は半減する。自動車用が石油消費の約60%を占めているので、半減すると約30%の節約になる。世界中が電気自動車やハイブリッドカーの開発に注力しだしたのは、このインパクトの大きさ、強さである。
アメリカでも大きい車、重い車は売れなくなってきた。ビッグスリーが経営危機に直面している。日本でも軽自動車へのシフトが進んでいる。軽い車、小さい車、燃費のよい車が求められている。
そしてその可否の鍵は電池に関する技術開発にある。リチウムイオン電池が有望視されているが、より安全で、より効率のよい、より安価でより長寿命の電池が求められている。
また軽くて強い素材の開発競争も更に激しいものになっていくであろう。いずれの分野も現在のところまだ日本に一日の長がある。さらに研究開発に磨きをかけて次世代の省エネカー、エコカーの誕生を期待したいものである。

投稿者: jsb 日時: 2009年03月09日 10:10

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://119.245.185.34/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/1595

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)