複眼力

平成21年3月16日
複眼力

ものを見る時にいろいろな見方がある。例えば鳥瞰図というと鳥の目のように上から見おろす見方で書いた図をいう。俯瞰図もある。高い所から下を見下ろすもので鳥瞰図と似ている。人が高い所に登って見下ろした景色をいう。
 また風景画をかく時に、遠景、中景、近景にわけてかく。それぞれかき方が違う。これは遠景を見る目と、中景を見る目と、近景を見る目が当然変るからである。見る目が変ると、見えてくるものが変る。
時代の先を見る目と過去を振り返る目も異る。過去の延長だけでは未来は見通せない。そこでは想像力が要求されてくる。分析力も必要である。
ものを見る時に、自分の過去に遡ってある時の自分の目になって考えることも可能である。例えば学生時代の自分に返って「自分が学生だった頃に、この問題に遭遇したらどうしていただろうか」と考えてみるのである。又は今は福井に住んでいるが「自分が東京にいた頃だったらどうしただろう」と考えるのである。或いは「退職した時だったら」とかもっと先の「八十歳になった時だったら」などと自分の年齢や条件を変えて物事を見るのである。
職業を変えることも出来る。私の場合商社へ入ったので、最初の仕事は石炭屋、次が冷暖房機屋そしてセメント屋、生コンクリート屋、分譲マンション開発屋、めがね屋、貿易屋、車屋、コンクリート二次製品屋、コンピューター屋などなどいろんな職業に携わった。それぞれの職業には独特の習慣や考え方がある。視点を変えるのにこれ等数多くの職業の方々とお付き合いいただき、種々教えていただいたことに感謝している。私の方は社命により数年毎に立場と職種を変えたが、相手の方々は生涯同じ仕事をされているケースが多かった。それだけに教えられることが多く、底が深かった。
これ等の体験から「複眼力」ともいうべき力、いろんな視点から物事を判断する力を養うことが出来た。誠に稀有の経験である。いかなる境遇にいようと、常に好奇心と挑戦する勇気を持っておれば、必ず道は開けることを学んだ。感謝。

投稿者: jsb 日時: 2009年03月16日 09:39

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