レアメタルのリサイクル

平成21年4月17日
レアメタルのリサイクル
レアメタルを回収するビジネスが広がっている。福井県敦賀市の日鉱敦賀リサイクル、秋田県大館市のエコ1リサイクル本社、DOWAホールディングス、埼玉県川口市のリユースビズテック(岐阜県中津川市に新工場建設)や、四国などの各地で、レアメタル回収ビジネスに乗り出すところが増えてきている。
福井県坂井市の日本エコカ工業でも、4年前からこの事業を開始している。ここでは自動車の手ばらしを行っており、車からとれるあらゆる素材を分解し、国内外に販売する事業を行っている。
つくばの独立行政法人「物質・材料研究機構」によれば、回収した金属類、特にレアメタルを、有効資源として再利用することは、日本の産業の土台を支える重要な仕事と位置付けている。
 ただ問題点はまだ多い。
まず第一は、世界的にも国内でも、金属のリサイクル市場が未成熟であり、価格が不安定なことである。現在のように世界同時不況がおきると、スクラップの価格は、大きく落込み、これを保護するセーフティネットはいまだ何もない状態である。
二つ目は、「手ばらし」作業が中心で、ペンチやドライバーなどの工具類を使う人海戦術が多く、効率はまだ低い。金属を抽出する方法や技術開発が必要である。
三つ目は、この新しい業界に対する研究機関や金融機関の支援体制が整っておらず、機械装置の開発、金属抽出の技術開発などの重要な研究が自前でしかやれないことである。
四つ目は、関連する大企業とのパイプがまだしっかりしておらず、長期的な視野に立った提携が、出来ていないのが残念である。
レアメタルのリサイクルは、将来大きな可能性を秘めた、重要なビジネスでありながら、これに気付く人の少ないのは誠に心細く、日本の持つ資源の見直しがすすまないのを憂いている。

投稿者: jsb 日時: 2009年04月17日 10:43

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