食料の保存

成21年4月21日
食料の保存
縄文時代から日本列島には大勢の人々が居住していた。山の幸、海の幸に恵まれており、気候も大陸や半島と比較すると、寒暖の差が少く、住みやすいところであった。食料も豊富にあり、木の実や魚の加工品が長期保存に適しており多くの人口を養うことが出来た。小魚は天日干により、また大きい魚は燻製にして、長期保存していた。発酵食の歴史は古く、縄文の頃より、日本列島から中国、ロシアの河川沿いにまで、生魚を土中に埋めて保存食とする習慣があった。人類以外の動物は生きるためにその時間の殆どを使っている。食料を確保するために使うのである。
日本は有史以来、急激な人口減少の経験のない、珍しい国である。その理由が「食料の豊かさ」にあるのは言を俟たない。そしてその豊かさは日本人の知恵と節食の妙、そして種々の保存食の開発に原因がある。
人類は早くから保存食を工夫し、多くの命を保持する知恵を身につけた。食料を無駄にせず、徹底的に食べきるようにするのが、生きながらえる知恵となるのであった。
弥生時代に稲作が伝えられ、米が生産されるようになると、定住が一般化し、高床式の倉が作られた。食料がもみのまま1年以上保存されるようになり、食料事情は一変した。カツオ節に象徴される乾物は、腐敗しやすい魚貝類を数年にわたって保存できる食料にかえた。漬物特に塩による漬物は、食品の保存期間を圧倒的に長くした。これによって日本列島は、人口増加に耐えうる豊かな国へと成長していったのである。
この食料の保存の知恵が、現代の食生活にまでつながり、生かされてきた。この永年に亘って引継がれてきた知恵を更に生かしながら、食料の長期保存、備蓄、そして最終的には、リサイクルまで昇華していきたいものである。

投稿者: jsb 日時: 2009年04月21日 13:41

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