隣人祭り

平成21年8月17日
隣人祭り

1999年パリのアパートで孤独死した老人がいた。同じアパートに住んでいた青年が、死んだ老人に誰も気付かなかったことを悲しんで、自分の部屋に同じアパートの隣人達を招待した。お互いに、助け合う、支えあう、その為にまず知り合うことが大切だと気付いたからだ。「隣人同志」が仲良くする運動が、瞬く間にヨーロッパからアジア諸国に広がっていった。
私の子供の頃は「隣組」というのがあった。向う三軒両隣りの六軒単位を言ったが厳密に六軒と限ったものではなかった。歌にまで歌われた。「トントントンカラリト隣組、障子を開ければ顔なじみ、まわして頂戴回覧板、知らせられたり、知らせたり」非常に仲の良い近所つきあいであった。
女優の大原麗子さんが死亡しているのを警官が発見したという。死後2週間以上経過しているという。華やか芸能界を病気のため、一時休んで1人で闘病生活中の孤独死であるという。同じような孤独死が日本でも時々報じられ、「隣人」とのつながりが薄れたり、切れたりしている現代社会の暗い面を見せ付けられる。「隣人祭り」や「隣組」がもし機能していたら、こんな日本にはなっていないであろう。
福井市に一乗谷朝倉氏遺跡がある。室町時代にこの地で三代に亘って栄華を極めた朝倉氏の居城跡である。朝倉義景が京都より将軍の足利義昭を招いて出したといわれる「朝倉膳」という会席料理のレシピが残っている。このレシピを使って「朝倉膳」を再現し、これを観光客に振る舞い交流をはかる住民運動が始まった。「隣人まつりIn一乗谷朝倉氏遺跡」という。観光客を隣人としてもてなし、地域との濃密な交流をはかろうとする新しい動きである。最近この地で第60回全国植樹祭が両陛下臨席の下開かれ、温かな里山の雰囲気が大変好評であった。
私達は福井市の副都心、開発地区で北陸初の免震構造の分譲マンションを建設した。全戸75戸分と分譲店舗2店と福井県内では最大規模のものである。このマンションを理想的なコミュにーティに昇華しようとして種々のアイデアを作り上げた。その一つが「隣人祭り」である。その第1回を8月22日の夜開催する。同じマンションに暮す者がある程度の節度を保ちながら、お互いに助け合い支えあえるコミュニティを作りたいとのお願いをこめた集いである。コンシェルジュを中心として明るく爽やかな生活を送れることを祈っている。毎月の誕生会なども企画している。グランドピアノとエレクトーンが常時おいてあるので、「隣人祭り」などには気軽に自由に演奏が楽しめるようになっている。

投稿者: jsb 日時: 2009年08月17日 14:42

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