原子力発電

平成21年9月3日
原子力発電
福井県産品のナンバーワンは「電気」である。これは県下全域の山間部に明治以来設置されてきた水力発電所のせいでもあるが、最大の要因は敗戦後に、敦賀、美浜、大飯、高浜に作られてきた「原子力発電所」のせいである。関西電力と日本原電の13基が稼働中であり、2基が着工準備中である。その他に(独)原子力機構の「ふげん」と「もんじゅ」があり、高速増殖炉の研究開発をはじめとし、原子炉廃止措置や国際的な原子力発電に関する情報の収集、操作管理運営、保守安全等の研修を行っている。
原子力発電はウラン235を燃焼させて、そのエネルギーで発電するシステムである。ウランに含まれる235は全体の0.7%に過ぎず、残りの99.3%は燃えないウラン238である。現在世界の原発は殆どが僅か0.7%のウラン235を使って発電を行っている。(但し実験炉・実証炉は除く)この残された、使っていないウラン238をプルトニウムに変えて、有効に使うことが出来れば、ウラン資源の寿命100年が、1万年にも伸びる可能性がある。
その分野に世界中が注目し、研究開発を行っている。福井県でも約500人の職員(独立行政法人原子力機構)がこれに携わっている。国内では、4,000人以上の職員が知恵を集めて、全国11ヶ所で研究開発に注力中である。このような最先端研究が日本で行われていることを私は常に誇りに思っていた。そしてこれ等の研究開発に賛成する民意の喚起に力を注いできた。直接私のビジネスには関係がないが、深刻化する地球温暖化防止の、当面のチャンピオンはこれだとの確信があるからである。そしてそれは私だけでなく「原子力白書」にもはっきりとうたわれている。CO2削減目標を達成する為には、原子力の増強が不可欠なのである。
放射性廃棄物の発生とその処分の問題が残っている。低レベルのものは、青森県六ヶ所村の低レベル放射性廃棄物埋設センターへ集められ、焼却、圧縮されて処分されている。高レベル廃棄物は、ガラスと一体化したガラス固化体として、地下数百メートルの最終処分場に保管されている。しかしこの処分場の次の場所の選定がその後、すすんでおらず未解決である。
安全の問題も残っている。2007年7月の中越沖地震で東電の柏崎刈羽発電所が、炉心部分は被害ゼロであり乍ら、周辺部分で被害を受け、影響があった。その為再稼動が遅れて、設備利用率の低下をもたらしている。地震への対応、特に付属施設を含めた安全対策が求められている。人口地盤の形成や、配管ジョイント部分のフレキシブル化など既知の、確立されている技術の利用によって即座に解決可能な問題が多い。素早い対応を望みたいものだ。

投稿者: jsb 日時: 2009年09月03日 09:30

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