ガーデンニング

平成21年9月17日
ガーデンニング

イギリスのキューガーデンやパームハウスを訪れてみると、16世紀から19世紀に至る約300年余りの間に、世界中から収集してきた植物類が栽培され、研究されているのが一目でわかる。
イギリス固有の樹木は僅かに200種といわれている。ところが、17世紀には1,000種が増え、18世紀には9,000種が持ち込まれ、栽培されたという。スペインの無敵艦隊を破ったイギリスは、制海権を握り、世界の海へ進出していったのである。アメリカ大陸、オーストラリア、アフリカ各地、インドなど世界各地に殖民地を持ち、中国を半植民地化し、日本へやってきたのは19世紀末のことである。20世紀初頭までイギリスは、世界一の大国であることを維持したが、その前はヨーロッパの一弱小国にすぎなかったのである。国力の増大と共に、世界の富を集めるのはあらゆる国の歴史が証明している。イギリスは文化遺産や金銀財宝を集めると同時に、世界中から珍しい植物や樹木を集めたのである。それがガーデンニングの始まりとなった。
温室の誕生である。温度調整を行わなければ成育しない樹木の栽培のために巨大な温室が建てられた。クリスタルパレスである。ロンドンの万博(1851年)の会場のハイドパークに建てられ、その後シドナムの丘に移築されたクリスタルパレス(水晶宮)は1936年の失火による消失まで多くのロンドン市民に愛された。その後クリスタルパレス公園として存在している。そしてキューガーデンの巨大温室はここにある。
ガーデンニングは、植物を育てる楽しみと、庭を作る楽しみ、そして家族や友人、隣人達との交歓をもたらしてくれる。植物図鑑を片手に次のシーズンの種蒔きを夢見るのもよし、日々成長する草花の変化に目を見張るのもよし、木々の季節の変化を楽しむのもよし。植物は、私達動物とは違う「何か」を持っている。その「何か」を捜すのは、ガーデンニングの魅力の第一である。ペットブームと同じように、人間は孤独であることに耐えられないようだ。その孤独を慰めてくれるのは草花であり、木々である。語りかけてみよう。「何か」が返ってくる。植物との会話が出来るようになれば、ガーデンニング免許皆伝の証明書が天からもらえる。
福井で完成した分譲マンションの住人達と、付属の広い庭園の一画でガーデンニングを楽しむことにした。「ガーデンニングクラブ」を発足させることにしたのである。早速来年の球根を植える作業をはじめなければならない。

投稿者: jsb 日時: 2009年09月17日 11:07

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