« 2010年01月 | メイン | 2010年03月 »
2010年02月のアーカイブ
Search
2010年02月26日
健康ツーリズム
平成22年2月26日
健康ツーリズム
21世紀は環境とエネルギーの時代という人が多い。私もあえて異論を唱える気はないが、「環境とエネルギー」は21世紀前半のテーマであろう。21世紀を通してのテーマは「健康長寿」であると考えている。「生命の尊厳」を追求する教育の世界的な広がりの中で、人々は「健康長寿」を求めるようになってくる。「健康長寿」は秦の始皇帝の頃から、日本が世界中から憧られてきた理由なのである。日本の健康長寿の原因は日本の風土、緑の山河の存在がある。野菜、穀物、魚介類、海草類を中心とした食習慣にも原因がある。四季の移り変りの中でメリハリのきいた生活が出来ることがよいストレスになっているのであろう。また過激なことを嫌う、平和を愛する国民性も無視できない。現実問題として、日本の女性は世界一の長寿をずっと続けてきている。また男性は僅かの小国の例外を除いて、世界一のレベルの長寿を続けている。そしてその平均寿命は毎年確実に増加しているのである。日本食が「健康長寿食」という認識が広まると同時に、日本という国が観光の目的地としてクローズアップされてきた。この機会を逃さず「ビジット日本」のキャンペーンにもっと注力していかねばならない。
テーマは「健康ツーリズム」であり、「健康食探求の旅」であり、「長寿村見学」である。日本各地にある、今まで国内向に使われてきた観光旅行案内を、「世界からの目」で見直してみると、どのような「健康ツーリズム」を提案すればよいのかがすぐわかる。ありのままの日本は世界の人々にとって魅力的である。ただわかり難いのが残念である。わかり難いのは「言葉の壁」や「習慣の壁」があるからで、その為に英語表示、中国語表示や説明文がほしい。観光を表看板にするのであれば、この表示方法の採用をぜひ実行しなければならない。
世界の七不思議に小さい頃は憧れたが、実際に訪問してみると、確かにスケールは大きいが、日本の富士山をはじめ日本各地の観光地の方が魅力的である。「健康ツーリズム」は旅をすることにより、健康を増進し、不老長寿の夢に一歩でも近付くという意味もある。日本には到る所に海や山や湖があり、自然とのふれあいを楽しむにことかかない。各地で推奨コースを作ってこれをPRするのがよいと思う。例えば「禅寺体験の旅永平寺から宝慶寺へ」或いは「越のくにの手作りの里、河和田から今立へ」、「足羽山麓の花の寺めぐり」「愛宕坂から足羽山頂へ」そのコースの途中に種々の仕掛けをはりめぐらせておけば、魅力はどんどん増していくこと疑いない。
健康旅游
2010年2月26日
健康旅游
很多人都认为21世纪是环境和能源的时代，对此我并无异议。不过我认为“环境和能源”只是21世纪前半部分的主题，“健康长寿”才是贯通21世纪的主题。随着追求“生命的尊严”的教育在全世界展开，人们开始追求如何才能够“健康长寿”。
“健康长寿”从秦始皇时代开始，就成为世界向往日本的理由。日本人之所以健康长寿的原因在于日本的风土还有绿色山河的存在。以蔬菜、谷物、鱼介类、海草类为中心的饮食习惯也是日本人长寿的原因之一。同时四季分明、生活有节奏成为缓解压力的好帮手。另外不喜欢过激事物、爱好和平的国民性也不容忽视。实际上日本女性一直保持着世界第一长寿的纪录，男性也除了仅有的几个小国之外保持着世界第一的水平。不但如此日本人平均寿命每年都在��长。日本料理在作为“健康长寿食品”受到广泛认知的同时，日本也成为旅游目的地受到特别关注。因此我们不能错失良机而应该加大力量宣传“Visit Japan”。
宣传的主题可以是“健康旅游”、“探求健康食品之旅”、“参观长寿村”等等。只要把日本各地至今为止面向国内游客的观光指南，试着以世界的目光重新审视一下，就不难理解我们可以推出什么样的“健康旅游”方案。原生原色的日本对来自全世界的人们都有魅力，遗憾的是有点难以理解。之所以难以理解是因为存在“语言障碍”“习惯障碍”。因此游客希望看到英文表示、中文表示或者说明。想拿旅游做招牌的话，就得采取这样的表示方法。
我小时候很向往世界七大奇迹，然而实际真正到过这些地方之后才发觉它们的规模虽然很大，但是还是比不过日本的富士山或者各地的旅游景点有魅力。“健康旅游”，不仅可以��进健康，还有接近不老长寿的梦想的意义。日本所到之处都有大海、高山或者湖泊，从来都不缺乏享受亲近大自然的乐趣。各地只要制定出本地特别推荐的“旅游路线”并对之加以宣传就可以了。比如“禅寺体验之旅----从永平寺到宝庆寺“或者“越之国手工制作之旅----从河和田到今立”、“足羽山麓花之寺之旅”、“从爱宕坡到足羽山顶”等等。在这些路线的途中设置各种节目，一定会�甓知閤眦�魅力。
↓点击这里，参与人气博客排行榜活动！↓
2010年02月25日
実践という力
平成22年2月25日
実践という力
いくらよいアイデアであっても、実行しなければ、何にもならない。逆に多少問題のある、生半可なアイデアでも、実行してみると、予想以上にうまくいくこともある。すべての物事は、実行前と実行後とでは大きく異なってしまうのである。その「実行する」という行為、作業により、その結果は質を変えるといってもよい。
私は林の中を散歩している例で、この事実を説明することにしている。林の中で立ち止っている私がいる。その時見える景色を記憶しよう。そして一歩踏み出す。その後の景色は、一歩踏み出す前の景色と明らかに違ってみえる。「一歩を踏み出す」という事は「実行」なのである。「実行する」ことにより、変化が起きる。見えなかったものが見えてくる。空理、空論をたたかわせているよりも、まず実行してみることが大切である。一歩を踏み出す勇気、この勇気があるかないかで人生は決まる。
「ど根性」という言葉がある。「強い意志」を持つことである。私はこの「ど根性」は「実践という力」だと思っている。何回失敗しても、またやり直す力、底辺から這い上がっていく力、負けるものかという力、夢をつかむ力、風をおこす力、そんな力が「実践力」なのである。
ある小説家の話の中で一つの例があった。彼の友人の話である。友人は学生時代から優秀で、文才があり、仕事で世界中をとびまわり、引退後は、小説家として数々の名作をかきたいと言っていた。そしてその内容も口頭で説明をしてくれた。すばらしい内容であった。ところが引退していざ小説を書き出してすぐ突然の病いに倒れてしまった。もう小説は書けず遂に一作も残さず逝去したという。私はこの話を聞いて、身につまされた。「実践する力」の偉大さを知ることが出来た。実践することで人は成長する。勿論失敗することも多い。しかし失敗しなければ成長はない。失敗が人を育てるのである。実践する力が明日を切り開いてくれる。
前へ一歩踏み出すと当然そこで考える。考えながら更に一歩前へ出る。この繰り返しの中で、その結果が生まれてくる。時には前へ出ているはずが横へずれることもある。歩きながら補正しているのである。歩きながら考え、考えながら歩く。空理空論でない現実が体験できる。ドキドキ、ワクワク、生き甲斐を胸一杯吸い込んで、今日もまた確かな小さな一歩を踏み出そう。
实践的力量
2010年2月25日
实践的力量
不论想法多好，如果不付诸实施，也会毫无意义。相反，就算有点小问题，不太成熟的想法，试着做付诸实践，结果却比预想的好的例子也很多。不论什么事情，做之前做之后必然存在巨大的差别，因而可以说所有的事情都是实践的行为本身和做法改变了结果的质量。
我一般用在树林中散步的例子来说明这个道理。比方说我正站在树林中停止不动，我记住这时候看到的景色，然后迈出一步，会发现眼前的景色明显不同于没有迈出这一步时所看到的景色。这个“迈出一步”就是实践。实践之后就会产生变化，看到原本看不到的东西。所以说比起大谈特谈空洞的理论，实践才是重要的。迈出一步的勇气，有没有这样的勇气将决定我们的人生。
有个词叫“韧性”，是说某个人拥有“坚强的意志”。我认为这种“韧性”，也是实践的力量。不论失败多少次都能从头再来的力量，从深渊爬上来的力量，不服输的力量，抓住梦想的力量，扬起大风的力量，这就是实践力。
有个小说家曾经举过一个例子，是关于他的朋友的。这个朋友从学生时代起就非常优秀而且很有文采，后来因为工作关系奔走于全世界，他说退休后要当个小说家写下众多传世名作。他连小说的内容也说给了小说家，而且确实是非常不错的内容。可是遗憾的是这位朋友退休后刚开始写小说不久就病倒了，我听到这样的事情，再次切身地感到“实践的力量”的伟大。人，只有通过实践才能成长，当然实践的过程中失败是在所难免的，但是没有失败也就没有成长，失败可以培养一个人。实践的力量可以为我们打开明日之门。
向前迈出一步之后自然会思考，而且会一边思考一边再向前迈出一步，结果就在这种不断重复中产生。本来应该向前迈出的一步却偏向了一边的时候也是有的，但只要一边走一边修正就可以了。只有边走边思考，边思考边走，才可以体验到不同于空谈的现实。
让我们今天也怀着兴奋、期待和对人生的自豪感，迈出切切实实的一小步吧。
2010年02月24日
独特的三角形
2010年2月24日
独特的三角形
建筑设计首先应该考虑如何既能最大限度地发挥地形优势又可以保持整体的采光和通风，以达到便于居住的目的。除此之外还要求能够和周围的市容保持协调。
建造集体公寓就更应该注意这些问题。为了达到适于远眺、良好的采光和通风的要求，我们和设计者一起花费了好几个月时间才决定公寓的外观，最后拍板的就是这个特独特的三角形设计方案。我们把三角形的顶点放在正北方，把居室放在从三角形的中心向三个方向延伸的线上。这种设计可以保证冬季即使太阳偏向最南方的时候所有的居室都可以接收到阳光。另外所有的居室都采取了高达2米3的落地窗设计，如此一来就成功实现了所有房间的采光和通风。
这栋公寓因为采用了三角形外观，因而显得非常独特，结果超乎我们的期待被大家认可为标志性建筑物，再加上地下的39个巨大基础免震装置，现在每天也都有好几组客人来拜访。
同时我自认为我们在这栋公寓建造上还实现了集体住宅“共同拥有优质生活品质”的特长。这不仅仅是通过量的积累还包括对优秀品质的追求。最大的特点是不仅地面停车场宽敞，公寓内部也设置了宽敞的公共空间。另外中心部配备了3部电梯，周围设有三个展望室。这一切都为居民提供了可以切身体感受到自信和自豪，喜悦和幸福的舒适居住空间。
此外我们在通向玄关的路边建了高达3米、宽18米的瀑布，还有丰富的绿色植物、各种盆栽还有美丽的花儿们不断向空气中释放负离子，为我们共同演绎跟大自然一起生活的喜悦。居民们还结成了园艺俱乐部，可以不时共同享受在花园度过的欢乐时光。
另外每一层都展示着全国或者本地有名艺术家的作品，让大家感受到回家时轻松舒适的魅力。其中既有101岁的老画家丰田三郎的油彩画，也有陶艺家五岛哲的陶壁画。每一层都展示着作家们的力作，演绎着我们跟美好事物同在的富裕生活。1层的交流室摆着演奏会用的钢琴，每个人都可以演奏，每个月我们都在这个地方进行现场演奏会。跟三角形的特别外观相呼应，这个公寓我们在所有方面都追求“独特的优质住宅”。这所公寓有75户住宅和2栋大型店铺再加上超过100台的停车空间。同时在葱葱郁郁的树木之间，我们还配了两个池塘。
↓点击这里，参与人气博客排行榜活动！↓
ユニークなトライアングル型
平成22年2月24日
ユニークなトライアングル型
建物を設計する時に、一番注意すべき点は、地形を生かしつつ太陽と風との整合性を保ち、使い勝手をよくすることである。そして街との調和が望まれる。マンションであれば、なお更注意しなければならない。すばらしい眺望、陽当り、風通しを実現するために、設計者と共に建物の外観を決めるのに何ヶ月も費やした。そして最後に出てきたのがユニークなトライアングル型である。正三角形を真北に頂点を向けて置き、中心から三方に伸びる線を引き、その線の上に居室を並べていった。こうすることにより、真冬に太陽が一番南の方向にずれた時にも全居室に太陽光が届く配慮をした。そしてハイサッシ2.3ｍ高をすべての居室に採用したのである。これで太陽と風を部屋の中に取り込むことに成功した。
この建物の形が、トライアングル型なので、非常にユニークであるので期せずしてランドマークとして認知された。地下の大きな39ヶの基礎免震装置と共に、今でも毎日何組もの来場客が訪れてくれている。
そして集合住宅の特長である「豊かさの共有」を実現できたと自負している。それは単に量の集積によるだけでなく、質的な豊かさを追求したからである。一番の特長は敷地や駐車場の広さだけでなく、建物の内でも、ゆったりとしたパブリックスペースを設けてある。中心部に3基のエレベーターを配し、そのまわりに3ヶの展望室を設けている。住む人に自信と誇り、喜びと幸せを実感していただける癒しの空間である。
玄関へのアプローチには高さ3ｍ、幅18ｍの滝がある。常時マイナスイオンを作り続け、豊富な植栽、美しい花々と共に自然とと共に暮す喜びを演出した。ガーデンニングクラブを住民で結成し、それぞれが花園を共有しながら交歓の一時を楽しんでいただいている。
各階には日本や地元の有名芸術家の作品を展示し、自宅への行き帰りに心を癒す魅力を用意している。101歳の豊田三郎画伯の油彩画や五島哲陶芸家の陶壁画など、各階毎に力作を展示し、美しいものと共に住む豊かさを演出した。一階のコミュニティルームには演奏会用のグランドピアノを置き、希望すれば誰でも演奏できる。毎月ライブがこの部屋で行われている。トライアングル型のユニークな外観に呼応するように、このマンションはすべてに「ユニークな上質の住い」を追求した。75戸の住宅と2軒の大型店舗に、100台をこえる駐車スペース、豊かな緑の木々の中に、2つの池を配したのである。
2010年02月23日
水ようかん
平成22年2月23日
水ようかん
夏の定番スイーツに水まんじゅうやフルーツの寒天がある。福井には水ようかんがあり、これは冬のものである。雪の降る日にこたつに入ってよく冷えた「水ようかん」をいただくと、「ああ、福井にいるな」という感慨にひたることができる。熱めの日本茶と一緒にいただくとなお更に味がよくなる。この水ようかんを作っている和菓子店は、福井の中心部だけでも十数軒はある。福井は菓子屋さんの数が日本一だという（人口割）。水ようかんの作り方は、いたって簡単である。材料は餡と砂糖（店によって違う）、寒天、水である。黒砂糖や白砂糖の使い方、寒天の量、煮つめる時間、水の量などによって、味や硬さに微妙な差が出てくる。
お酒のすきな左党は、甘いものを好まないといわれているが、水ようかんの好きな左党は割合多い。それ丈、甘味を押さえたものが多いということであろうか。
福井の水ようかんは和菓子屋さんだけでなく、福井のスーパーでもコンビニでも、冬の定番商品として売られている。全国的には水ようかんは夏のものである。なぜ福井だけが冬の定番スイーツになったのであろうか。誰に尋ねてみても、これはという解答は得られなかったが、作り方の簡単さと味のよさそして安価でありながら、栄養価が高いことから広く普及したのであろうかと推察している。
味は好みがあり、人々は自分の好みの店で買う。自分だけの水ようかんを賞味しているのである。福井の冬の味覚「越前ガニ」や「若狭ガレイ」や「甘えび」だけでなく、かくれたスイーツ「水ようかん」があることを忘れてはなるまい。
私は「おうす」をいただく前に、この「水ようかん」を一切れいただくのが大好きである。これこそ庶民の味である。珍味である。
2010年02月22日
LED照明について
平成22年2月22日日
LED照明について
自動車の後尾灯や街角の信号機、踏切の信号機などが、最近になって、次々とLED照明に変わってきた。LEDとは何の略かと調べてみたところLight Emitting Diode とわかった。電気を通すことで光を発するダイオードである。素材は安全な高級アクリル樹脂を採用している。まず1960年代に赤と緑が発明され、続いて黄、青が、そして最近白が発明され、普及に拍車がかかった。
LED電球の価格は１ヶ3,800円で白熱電球の約40倍も高い。しかし寿命が約40倍と長い。そして消費電力が1/8〜1/20と少ない。日本の家電メーカーは次々と白熱電球の製造中止を表明しだした。いずれ白熱電球は私達の生活から姿を消すことになる。白熱球の欠点は光だけでなく、熱を出すことである。冷房の負荷を高めてしまっていた。そして破れやすいという危険もあった。LED電球はこれ等の欠点をすべてクリアーして誕生した。LED電球に変えるだけで、経済的にも、省エネ効果も、取替えの手間も大幅に節約できるのである。器具の交換もいらない。
「2050年マイナス80％という省エネの目標数値」が先進国の責任といわれているが、照明については、白熱電球をLED電球に変えることで達成できる。また蛍光灯との比較でも、電気代は1/3となり、直ちに点灯し、紫外線を出さないという特長があるので、これまた大いに有利である。LED照明は、いますぐ全面的に採用する必要がある。
デメリットは価格だけである。1ヶ3,800円という高価な価格は、大量生産、大量消費によって短期間で解決できる問題である。日本では蛍光灯が照明の主流であるが、アメリカもヨーロッパも未だに白熱電球を多用している。省エネ意識が日本に比べて低いのである。世界的に、ＬＥＤ照明のよさをアピールしていけばよい。私達はコインパーキングシステムに、早くからこのＬＥＤ照明を採用し、電気代の節約に取り組んできた。これからも新技術や新製品を積極的に採用し、省エネの先導者としての勤めを果たしていけるよう努力をしていく覚悟である。「省エネはＬＥＤから」を忘れないでほしい。家庭でのエネルギー消費の1/10、オフィスでの1/5が照明である。まずここから省エネ生活をスタートさせようではないか。
2010年02月19日
環境と住宅
平成22年2月19日
環境と住宅
1990年頃から地球環境の変調にともない、経済性を第一とする効率主義から、環境に配慮する環境主義という新しい社会の風潮が高まるようになってきた。世界中の気象の変化を議論するＣＯＰの会合が開かれるようになり、学者主導による地球環境保全の為の警鐘が鳴らされだした。
産業用、運送用、自動車用の環境対策と同時に、私達の生活の中での省エネが重要視されるようになってきたのである。特に日本の住宅は、スクラップアンドビルドに適した素材や構造であることとあいまって、建築廃材が環境破壊の元凶のようにいわれている。木造建築でも建て方や素材の選定、メンテナンスの方法によっては、1千年の耐用年数を持つものもある。しかし一般には30年〜50年経過すると、壊して建てかえるケースが多いのも事実である。
そこで政府は、200年住宅構想を打ち出した。50年で壊すのではなく、少なくとも200年は使用できる堅固な住宅を推奨することとした。初めての政策らしい政策である。もう30年早くこの政策が採用されていたら日本の住宅は大きく変わっていたことだろう。これから住宅産業を根底から揺り動かす変革が起ってくるのである。住宅は消耗品ではなく、子孫に残す貴重な財産なのである。
変革は北欧風のぶ厚い、絶熱材であったり、小さい窓であったり、ペアーガラスや二重サッシであったりする。同時に自然との共生が私達の暮し方であったので、風が吹きぬける住宅の採用など、古くからの日本家屋のよさも見直す必要がある。
また照明が白熱電球から蛍光灯そしてＬＥＤ照明になっていくことと思われる。太陽光、熱の活用、風力発電なども当然住宅に最初から設置されるであろう。夜間電力の活用は家庭での省エネの最大のポイントである。夜間のエネルギーをいかに昼間まで貯蔵しておくか、その技術開発が待たれている。開発されるとその時世界中が追随してくるので、エネルギー消費は大幅に少なくなる。
スマートグリッドを家庭から解放し、地域社会へ、日本全国へという動きがあるが、私は日本国内では、既にこの精神は、敗戦後から生かされ、現状がもう完成状態に近いと思っている。そして既に完成の域に近付いているスマートグリッド方式を国と国を結び、地球全体を結ぶ「配送電ネットワーク」＝「インターコロニアルネットワーク」の完成を提唱したい。世界連邦の誕生にもつながる哲学の裏打ちが求められるが、2050年マイナス80を達成する早道であり、唯一の道かもしれない。
2010年02月18日
日本の仏像
平成22年2月18日
日本の仏像
仏教はインドの北方ヒマラヤ近くで誕生し、東方へ伝えられた。現在では祖地インド、チベット、中国、朝鮮半島、そして南洋諸国をまわってみても誕生から数世紀の頃の繁栄は見られない。日本への仏教伝来として史書に残っているのは、聖徳太子の頃である。それ以前には各地へ漂着した人々から伝えられていたことと思われるが、史書には残っていない。とすると僅か1500年足らずの期間に「仏教」は、日本古来の神道と並ぶ宗教に成長したのである。そして世界中の仏教と日本の仏教とを比較してみると、日本の仏教は圧倒的に優勢であり、その寺院の数、その信仰する仏教徒の数、その建造物のすばらしさ、どの点を取り上げても、日本に並ぶ国はない。特に仏像や仏典の保存はすばらしい。幾多の戦災や大火、地震などを経てなお死守されてきた仏像や仏典は世界遺産のトップに上げられてもよい程である。
写真家で、仏像をとることを職業としている人がいないのは不思議としか思えない。これ程の宝物を世界の人々に示すことにより、「日本人の精神構造」「平和主義」や「博愛」「報恩感謝」「非戦」などの哲学を知らせることが出来る。珍宝は市中の寺々に、小さな観音堂や地蔵堂に、山中の山寺にも数多く存在する。保存状態も数百年、千年を経てもなお光り輝いている。その美術工芸的価値もさることながら、今なお人々の信仰を集めているのはすばらしい。
仏像を尋ねる旅を旅したのは、近くは白洲正子がいる。腕のいい写真家と正子の筆を借りると、日本の至宝「仏像への旅」を完成できそうな気がする。但し幾世代もの人達の協力が必要となる。なぜならば福井県下だけでもお寺の数は1千ヶ寺、その他に路傍の地蔵は数え切れず、山野に並んでいる。その由来、その表情これ等を調べていくと、たちどころに数年がすぎてしまう。一生の仕事ではムリである。組織を作って実行していけば、福井県下の調査を数年で完了することも可能である。福井県がリードし、各市、各町に協力を依頼していけば見込みは十分にある。撮影のマニュアルや文章の手本などを示して、各教育委員会に指導させていけば、成功は間違いない。これこそ「新しい福井県の宝」である。これを世に発表すれば全都道府県はマネをするであろう。そして日本の仏像を、世界人類の宝として世に問えば 、世界中から日本各地へ観光客を誘致するガイド役になってくれることと思われる。
2010年02月17日
同志社大学おのが会
平成22年2月17日
同志社大学おのが会
同志社に「おのが会」という名の会がある。故小野高治教授のゼミナールの卒業生の会で、56年間続いている。会の名称が「おのが会」になったのは私が卒業した後の1960年代のことと記憶しているが、年代を問わず機会あるごとに、小野先生と奥さんの鈴子様をお招きして、会合を重ねてきた。先生は昭和18年同志社へ入学、兵役等を経て昭和23年経済学部を卒業と同時に、助手として母校に残られ、昭和28年助教授、昭和34年教授、学校法人理事、評議員、名誉教授として私達の指導育成に尽力を賜った。ゼミは昭和28年卒の第1回生を皮切りに、昭和64年（平成元年）の卒業生まで、全37クラス、1,000名に達する「おのが会」の会員の活躍は、誠に目覚しいものがある。
去る昨年末の12月23日、天に召されて85年の生涯を終えられ、2月14日京都にて偲ぶ会が催され、先生との最後の別れに涙した一日となった。全国から150名余の会員参加と、数多くの会員の芳志を集め、小野家の鈴子令室、恵子令嬢、慎一郎令息のご参加をいただき、しめやかな中にも和気藹々の偲ぶ会となった。恵子令嬢は夫君と共に東京から、慎一郎君は任地フィリッピンのマニラからの参加となった。
小野先生の残された業績の中で、私達が最も強く印象づけられていることは、「師弟愛」である。ゼミの学生一人一人に格別の愛情を傾けていただいた。先生の神を信じ、同志社を愛し、教会を大切に思う心は疑うべくもないが、それ以上に私達学生を愛し、その行末を心配して下さったことは、忘れられない思い出となっている。その尊いお姿は、校祖新島襄先生にあまりによく似ていることに今更のごとく驚いている。
在校中に絵を描くことに熱中し、ゼミをさぼった日に、先生が私の下宿を訪れられ、何も言わずに「碁を打とうか」言って無言の指導をいただいた事もあった。岐阜でおのが会を開いたところ、出席者が3人であったが、それなりに印象に残ったこと。先生から突然電話があり、福井へ行くといわれ、一夜歓談したこと。ミシガン大学への留学の是非を相談に行った時、すべてを天に委ねて前へ進めと諭されたこと。人生の節目に、数々の温かい配慮を賜ったことに感謝し、先生のご遺志をついて母校同志社のため、世の為、人の為に残された人生を捧げたい。28年卒の木本勝造先輩の「このまま朽ち果てたくないなあ○○君」の言葉どおり、「無為無策のままに、人生をムダに過すこと」は許されない。先生が作られた二つとない「おのが会」である。更に続けることにより「おのが会」は小野高治先生と共に永遠不滅であるといい続けたい。
2010年02月16日
ターミナル効果
平成22年2月16日
ターミナル効果
明治2年鉄道建設が廟議で決定。東西両京を結ぶ幹線と、東京・横浜、長浜・敦賀、京都・神戸を支線とし、日本の鉄道は、都市と港湾を結ぶ路線の性格を持ってスタートした。まず東京・横浜間が明治5年9月12日に開通した。京都・大津→太湖汽船、長浜→敦賀港（金ヶ崎と呼んだ。柳ヶ瀬トンネルを除く）明治13年7月14日に竣工した。当時のターミナル駅は、東京（新橋）、横浜、長浜、大津（浜大津）、京都、神戸港などであった。幕末から既に日本国中に普及していた蒸気船による交通網が完成しており、それを補完する型で考えられた鉄道であった。ところが明治5年の東京横浜の開通は、鉄道の利便性を人々に認識させるのに時間はかからなかった。明治天皇の勅語は「我国鉄道の首線工竣るを告ぐ、更に此業を拡張し、全国に蔓布せしめんことを庶幾す」であった。この日は太陽暦明治5年10月14日である。鉄道記念日となった。この初乗りの御召列車に松平春嶽公も同乗されている。
そしてこの日以来、鉄道熱は全国に拡大し、ターミナル駅が続々誕生し、都市としての機能が充実していった。横浜を筆頭に、長浜、敦賀、神戸、大津がその恩恵を受けたのである。但しターミナル駅としての効果は、この幹線が次へつながると徐々に弱まっていくのは仕方のないことであり、長浜はその後関ヶ原から大垣へと車線が延長されていった。それと共にターミナル駅として滞留客をもてなしていた。仕事は、次のターミナル駅へと引継がれていったのである。
東海道新幹線が九州まで延長することになり、ある時期広島駅がターミナル駅となった。新幹線で来た客は広島駅で在来線に乗り換えるのである。全乗客が新幹線から降りて次の在来線に乗り換えるのである。臨時のターミナル駅である。この時期に広島駅周辺の土地が値上りし、広島駅周辺は大いに活気づいた。私は広島駅の賑わいを体験し、その変貌の大きさに驚いた。鮮明に記憶に残っている。
北陸新幹線が富山、金沢まで決定し、福井までの同時竣工はかなり厳しくなってしまった。そのため金沢駅のターミナル駅化（一時的にせよ）が確定的となり、金沢周辺の土地が動き出している。富山周辺駅の土地も反転の兆しを見せている。金沢駅が何年かの間、ターミナル駅として、東京方面からの客を引き止めることを装丁し、福井県民としては、その対応策を準備しておく必要がある。難しい問題である。
2010年02月15日
低迷する経済
平成22年2月15日
低迷する経済
最近の北陸経済の状況は悪い。特に福井県が悪い。嶺北が悪い。商工会議所の調査によれば、全員が「需要低迷」を第一に挙げている。第二の問題として挙げているのが「価格の下落」である。その次は「競合激化」と続く。政府はデフレ傾向にあると言及したが、市場は完全なデフレの真っ只中にあり、経営者のすべての認識が見事に一致している。
直近3年間の売上高の推移では70％の企業が減少傾向にあると回答しており、増加傾向にあるとの回答は僅か10％である。今期の売上予想は10％減少するとの企業が約3割もあり、中には40％〜50％減少を予想する企業が1割以上になっており、その深刻さが窺える。
その為、利益面の予想では、約半数の企業が「実質赤字となる」と回答しており、「十分利益を確保している」のは僅か3％の企業である。「需要低迷」「価格下落」「競合激化」の中での利益確保がいかに難しいかがよくわかる。デフレの中でのコスト削減の努力は当然としても、それ以外にどんな打つ手があるのか、暗中模索の状態であろう。
まちのあちこちに売地、売家の看板が目立つようになってきた。遊休不動産を処分して身軽になろうとの考えであろうが、残念ながら売手ばかりで買手がいない。たまたま買いたい人がいても金融がつかず流れるケースも多い。路線価の下落傾向は止まらず、「不動産」はその名の通り、「動かない資産」になってしまっている。
建設業界が悪い、かつてはゼネコン王国といわれた福井県であったが、公共工事の長期的な減少の中、苦しい経営が続いている。コンクリートから人へという民主党の政策転換は、日本経済を大きく揺さぶることになりそうな予感がする。コンクリートへの投資は悪ではない。ムダな投資が悪である。ムダな投資はコンクリートに特定すべきものではない。コンクリートは国土軸の建設をはじめ新幹線、高規模道路、砂防ダムなどまだまだ必要なところが数多く残っている。
日本の鉄道は明治初年から僅か19年の間に東京――神戸が全通している。それに比較して、新幹線は平成に入ってもまだ遅々として進んでいない。政治の貧困を嘆きたくもなる。
インド経済は内需中心である。中国も日本も輸出に頼る傾向が強いが、21世紀はアジアの時代である。中国や日本が率先して内需拡大に踏み切り、世界をリードしなければ、本当に世界恐慌を引き起こす可能性がある。日本海時代を見据えて、福井県を、北陸を元気にする為の、積極的な投資の呼び込みを行わなければならない。2月20日フェニックス研究会を開き、この問題についてディスカッションの場を設けることとした。会場は例月の通りエコライフプラザ4階の会議室。テーマは福井県の県都改造である。
2010年02月12日
デフレスパイラル
平成２２年２月１２日
デフレスパイラル
デパートもスーパーも、コンビニすら売上が減っているという。価格の下落が進んでいるのだ。統計には表れない安い特売品が売れている。その代り、通常価格の商品の売上げは泊まったであるという。価格破壊が、ものすごいスピードで進んでいる。デフレ社会が到来しつつある。
景気にあまり左右されないはずの食料品も、今回は同じように安くなっている。お惣菜売場でも100円コーナーは大賑いである。スーパーは夜8時を過ぎると50％引の値札を貼っていたが、最近では夜7時頃には客の顔を見ながら半額の札をつけている。売れ残ったものは処分されてしまうこともあり、売り切る方を選ぶのだという。
外食は高級店と大衆店に二極分化が進んでいる。高級店は、今迄のように強気一点張りの価格方針はとれないという。大衆店は昼のランチメニューを下げて、夜の来客を誘う作戦のようである。いずれも価格は下げ傾向にある。食事を楽しむという外食本来の姿から、少しでも安いランチを捜す人が増えて、「おいしい店」を捜す人が少なくなってきた。腕によりをかけて、おいしい食事を出す職人さんにとっては、何とも悲しい時代になってしまったようである。
消費者にとっては、給与や賞与の減額の中で、安い買物ができるのはありがたいことである。しかしデフレは生産者も販売者も運送業者もすべての人々をコスト低下競争に引きずりこんでいく。原材料費も販売経費も下げられていく。当然給与も賞与も例外ではない。それは次から次へと価格破壊がドミノ倒しのように進行していくデフレスパイラルとなっていくのである。総需要が縮小し、信用不安がおき、金融システムの破壊へと続くのがデフレスパイラルの恐ろしさである。
雇用が過剰になり、人員整理が一昨年来より実行されてきたが、まだ過剰感はぬぐえない。雇用の過剰が解消されなければ、賃金水準は下がり続けることになる。給与が下がり、先行き雇用不安があれば、消費者はますます消費を切り詰めようとする。
建設業は、公共工事の減少という、ドラスティックな総需要抑制策の中で苦しんでいる。更に民間工事は金融機関の貸し渋りにあって、新規需要は殆ど皆無の状態である。
中国関連だけが元気がよいように思われるが、常に安い中国の人件費と、比較されながらの厳しい価格競争をしているので、利益なき繁忙という面も強い。
今のところこのデフレスパイラルから抜け出す、よい方法が見つからないが、このままでは世界経済も日本経済も、益々厳しい環境に置かれるのは間違いない。しかるに証券会社も日銀も政府も22年度の見通しを、かなり強気で見ている。それも50％以上の経常利益（全上場企業）の回復を予測している。製造業を中心とした日本を代表する大企業の回復力に期待しているようである。果たしてこのデフレスパイラルの中で、この急回復が達成できるかどうか、期待は大きいが、心配もまた大きいものがある。
2010年02月10日
豊富なパブリックスペース
平成22年2月10日
豊富なパブリックスペース
「悠久の住い」を都市に演出するには、建物の中に、豊富なパブリックスペースを設けることである。南仏マルセイユの「ユニテーダビタシオン」はこの夢を実現した。貴族の館でなく、庶民の住い、集合住宅の中に「ひろびろ、ゆったり」の癒し空間が作られた。設計はル・コルビュジェである。1930年頃の竣工である。RC造、１８F建、メゾネットの３３７戸の大アパートである。各階、各所にパブリックスペースが作られており、入居者だけでなく、市民も出入でき、楽しめるようになっている。
私が世界各地の分譲マンションを見学して歩いた時、感じたのは、ル・コルビュジェの考えが、忘れ去られてしまっていることである。日本に今作られている分譲マンションと大差のないものになってしまっていた。これは２０世紀が、効率追求の時代背景を持っていたせいかも知れない。
精神の安らぎ、癒しを提供するのが住いである以上、マンションのパブリックスペースは、大きく、ゆったり、くつろげる場でなければならない。そこには緑や花、そして絵画、彫刻などの芸術作品を眺めたり、時にはピアノの音色が流れたり、滝の水音が聞こえてくるような環境であることが望ましい。
一つの集合住宅の中に、まちがあり、自然があり、人と人とのふれあいの場を用意してほしいのである。住いの内部はある程度のプライバシー保護の為に外部との隔離を要するが、一歩ドアを踏み出すとそこにはまちがなければならない。人気のないコンクリートの塊ではなく、温かみのある、人間味のある雰囲気を醸成することが求められる。それが魅力のあるパブリックスペースである。そしてそれは豊富に存在しなければならない。
私はこの夢を実現するために「タワーグランデCHA」という分譲マンションの建設に着手した。時は今、世界大恐慌かといわれる程不景気の中にいるが、私の描いたコンセプトを巧みに現実のものとしてくれたセンボー建築事務所の仙坊幸治氏、そして熊谷組、見谷組JVの諸君をはじめ協力業者の皆さんのおかげで立派に完成した。
悠々の住いに住んでみて気がついたのは、人と人とのふれあいの大切さである。「尊縁」や「一期一会」で表わされる人とのお付き合いの有難さである。毎日が笑顔と笑顔との出会いの感動の連続である。豊富なパブリックスペースを大いに楽しみ、マンションライフを満喫している。
2010年02月09日
世の中を面白くする
平成22年2月９日
世の中を面白くする
「記念植樹をしませんか」というプロジェクトを考えてからもう十年が経過した。これは神奈川県の茅ヶ佐ヶ崎市で、ある工場の跡地再開発の提案を求められた時考えた。日本の法律では、工場用地を住宅地にすることは禁止されている。また廃工場の地質調査が義務付けられており、工場跡地を再開発することは並のデベロッパーにも不可能である。そこで駐車場の開発を手がけている私達に、提案の機会がまわってきた。数万坪に及ぶJR東海道線に面した広大な敷地には、あちこちに植えられた松など林が残っている。そこで敷地全体をぐるりと取り巻くように3〜5列ぐらいの「記念樹を植える運動」を行い、その中心部に大駐車場（平面）を作り、1号線沿いには、沿道サービスの諸施設を作ることを提案した。茅ヶ崎市と地主との接渉の結果、残念乍ら実現しなかったが、「記念植樹」という一つのテーマは私の中で生長し続けている。
現代は市民の時代である。一般大衆の時代である。人々は観賞するだけでは満足しない。参画することを求めている。即ち参加型のイベントが成功する。ただ単に見せるだけのイベントや聞くだけのイベントは集客力が弱い。芝居の役者や、音楽会の演奏者が舞台と聴衆が一体化した時の感激の体験を話してくれたが、この感激、この感動を聴衆も体験したがっているのである。「舞台への聴衆の参加」この仕掛が、成功の鍵を握っている。
その仕掛が「記念植樹」である。天皇皇后両陛下を迎えて福井県で植樹祭が行われた。第60回記念ということで私達にも植樹の機会が与えられた。私達は足羽山の古墳近くの場所を選んで、植樹した。この時の参加人数が多いのに驚いた。「植樹」という行為の魅力が人ひきつけたのであろう。また「植樹祭」に両陛下と同じように、植樹することに魅力を感じた人も多かったと思う。「記念植樹」の意義を認識させられた。
私達も5月に誕生した双生児の成長を願って、内孫と共に、桜の苗木を植えた。数年後には孫3人を連れて家族総出で足羽山でこの桜の開花を楽しむことが出来る。まさに参画型で、持続性のあるイベントがこの「記念植樹」である。
福井のまちづくりの一環として、足羽山、足羽川の周辺や、市内の道路などを指定して、計画的な都市の緑化運動にこの「記念植樹」（例えば1本苗木1万円）の手法を取り入れていくと面白い。ワクワクドキドキの感動を追い求めていくところに人生の面白さがある。世の中を面白くするのはこの感動を追い求める人々のパワーであり、意欲である。
2010年02月08日
いきいき地蔵
平成22年2月8日
いきいき地蔵
日本文化の特徴の中でも、極だって異質なもの、それは日本の各地に存在する仏像である。木製、金銅製、石製など作られる材質は異なっているが、信仰心に満ちあふれた人々によって幾世紀にも亘って、守られてきたものが多い。中国や朝鮮からの渡来仏にあるが、日本で作られたものが殆どである。そして宗教心が乏しくなったといわれる現代でも、作り続けられている仏像は多い。
仏像の中で、最も私達に親しくお付き合いをしていただいているのが路傍の仏像、「お地蔵さん」である。村はずれの一本杉のお地蔵さんは今でも日本各地に残っている。東京巣鴨のとげぬき地蔵は毎日沢山のお参りの人々で賑わっている。お盆すぎの8月24日に、全国で開かれてきた「地蔵祭り」は、今でも子供達にとって、夏の風物誌として、宗教心を涵養する行事として、町内のつながりを体験させる行事として、貴重なものである。
私も幼少の頃より、夏の地蔵祭りに参加した。地蔵堂を清掃し、ろうそく立てを並べ、ぼんぼりに紙をはり、「町内安全」「家運長久」「健康第一」「子孫繁栄」などの言葉を書き入れていく。大きな三宝に「すいか」や「まくわうり」「野菜」などの供物が町内の家々から届けられる。「お菓子」もある。一日中カネをたたいて「御神あげやす」「蝋燭一本たてやす」と囃す。祭りがすむと翌日にお菓子やお供えを子供達に分けられる。どこの町内でも同様の「地蔵盆」という祭りが行われていたのである。
福井の駅前のビルの中に「地蔵尊」を招来し、曹洞宗大本山永平寺の第一教区の皆さんにお願いし、月参りの「地蔵祭り」を開催して既に数年が過ぎた。鼻かけ地蔵で有名な福井の大乗院の大谷師をはじめ永平寺から毎月3人のお坊様がおいでになり、般若心経、観音経などのお経を上げていただいている。家内安全、健康長寿、商売繁昌を願って、参拝者1人1人の名前を読み上げて、地蔵尊に伝えていただいている。
そのお経の後の大谷師の説教がまたすばらしい。世相の話から健康、犯罪、非行など幅広い講話が長い時は小一時間も続く。私は毎月必ずお参りすることにしているが、目からうろこの講話が多く、心を洗われる思いがする。本山の永平寺の講話もよいが、福井駅前でこのように幅広いテーマで毎月講話が聞けるのは誠に有難い。ただ残念なのが、駅前商店街の方々のためにお祈りをしてもらっているが、肝心の商店街の人のお参りが少ないのである。もっと宣伝をしなさいと大谷師に叱られている。「健康長寿のいきいき地蔵尊」として、健康長寿ふくいを象徴する「お地蔵さん」なのである。健康長寿を願う善男善女のお参りを心から願っている。
2010年02月05日
「歩く」という文化
平成22年2月5日
「歩く」という文化
「汽車に乗って」という言葉が生きていた私の幼少時代、京都へ両親に連れられていった記憶が鮮明に残っている。当時の汽車はスピードが遅いので窓をあけていても苦にならなかった。その窓から移り変わる景色を食い入るように眺めていた自分の姿を思い出す。少年にとっては異次元の体験であった。
初めて車を運転した1958年頃は、道路を走る車の数は少なく、ドライブを楽しむという言葉どおり、車の運転は「非日常」の世界であった。少年時代の「汽車の旅」に相通じる楽しい体験であった。
最近の車の存在は、「ステータス」の時代を通り越し、「ゲタ代り」の時代になりつつある。「汽車の窓」や「車の窓」から見えた美しい景色や人々の生活の息遣いは、もう見えてこない。新幹線や高速道路を走る社内では、孫達はゲームに熱中したり、本を読んでいる。自己と外界との接触を楽しんだり、新しい世界との出合いに期待することはない。こちらから、「紅葉が美しいよ」とか、「富士山がキレイだ」と水をむけても興味を示さない。生返事だけがかえってくる。
汽車が日本を走り出したのは、今から約140年前からである。それまではすべて徒歩であった。交通手段は希には馬や駕籠であったが、この利用は全く少なく、一般人はすべて徒であった。
この「徒」が最近見直されてきている。歩くことによって見えてくるものがあることに気付き出したのである。健康ｳｫｰｸもこの「徒」の価値の再発見に貢献しているのも間違いない。
まちをそぞろ歩くのは、実はとても楽しいことである。歩くことで見えてくることの何と多いことか。声をかけてくる人の何と多いことか。まち歩きをしてみると、頭の中で考えている事と、現実のギャップにすぐ気付く。私達は何千年、何万年もの間に、祖先から受け継いてきたDNAの中に、「歩く」という文化を持っているのである。歩くという習慣、車から解放されることによる原点復帰、そこから生まれる「ゆとり」と「癒し」そして「生活への密着」、私は歩くことにより、少年時代の自分に返ったように、生気を取り戻すことができる。「歩く」こと、「徒」がこれ程の変化を生むと考えなかった自分が恥ずかしい。歩くという文化を発展させていくところに新しい「まちづくり」のイメージができそうである。
2010年02月04日
ターミナル効果
平成22年2月4日
ターミナル効果
北陸新幹線の話題が地方紙に連日取り上げられている。新潟県の知事は地方分担金負担に難色を示しつつ、地元への利益誘導に忙しい。富山、石川両県は既に予算がついて着工中であり、割合平静である。肝心の福井県では、民主党政権に変わったことで、既に認められた予算が延長され、白紙となり、地元の落胆は大きい。新幹線が金沢駅で止まり、金沢駅がターミナル化するか、福井駅まで来てそこでターミナル化するかで、その効果は大きな変化を生むのである。たとえ一時的（3年程度）にせよ、その及ぼす影響は誠に大きい。このターミナル効果を計量経済学で計ってみる必要を感じている。福井県立大学の地域経済研究所のテーマにふさわしいと思うがいかがであろうか。
金沢駅止まりを予想して、東京資本が金沢駅周辺の土地の買収に乗り出してきた。私達の会社が所有する金沢の収益物件（コインパーキング中心である）に対するアプローチが、最近急に増えてきた。富山駅周辺も、金沢駅に負けず劣らず増えてきている。それに対して、福井駅周辺は泣かず飛ばずで、下落傾向は変わらない。
北陸4県はかつては「こしのくに」を形成しており、福井県は京に近い若狭を頭に、「こしのくに」の先端部分、「越前」と呼ばれる先進地域であった。また明治初年に日本に鉄道敷設が廟議で決定された時、東京横浜間、京都神戸間と同時に「長浜敦賀間」の3線が、同時に決まっていた。福井県の存在は、継体天皇以前や、明治維新時には、誠に大きいものがあった。現状の政治力の弱さはどこに原因があるのであろうか。7人の代議士の先生に聞いてみたいと考え、お会いする度に発奮を促している。
中心市街地活性化や、コンパクトシティ構想の基本になるのは、交通インフラの整備であり、これが最重要課題である。「新幹線」はあまりメリットがないという意見は、車社会を背景に出てくる意見であるが、決して正しいものではない。「新幹線」を停めるかどうかが重要ではあるが、まず通さなければ何も始まらない。北陸でも福井県は、首都圏と最も遠くなってしまった。時間距離でいうとそうなる。陸の孤島とならない為にも、「新幹線開通は福井県民全体の意志である」と強く訴えていく必要がある。
2010年02月03日
国際原子力研究所
平成22年2月3日
国際原子力研究所
敦賀市に新しく国際原子力工学研究所が開設されることになった。長年に亘る福井県民の夢が実現するのである。詳細は未発表であるが、国立大学法人福井大学を中心として京都・名古屋・大阪大学などかつて原子力工学の研究科を持っていた一流大学からの研究者を集めて、福井市の福井大学の中に設立されている。それがいよいよ陣容を整えて、敦賀市のJR駅前の好立地を選んで新築されることになった。所長は大阪大学名誉教授の武田所長である。おそらくこの研究所は原子力工学研究の世界的なメッカに育つであろう。フランス、アメリカの大学や研究施設との提携、協力の話も舞い込んでくることであろう。まず国内の大学との提携が優先されることと思われるが、バラ色の未来が見えてくる。
太陽光熱・風力の活用による発電が一般化するまでの半世紀間は、原子力発電への依存が増え続けることであろう。それも文殊型のウラン再利用炉になっていくであろう。その為の研究開発は、敦賀の近くの原子力機構が行っており、技術開発の情報の相互利用の可能性が高い。
また発電以外の医療分野や、新製品開発分野への原子力の活用の期待も大きい。ガン治療に放射線を使用する技術は、既に開発済であり、この研究分野はどんどん発展していくと思われる。福井県立病院（福井市）で、その為の新診療施設が建築中である。おそらく全国から、世界からガン患者を呼び寄せる力となることであろう。
原子力工学はこれからの新分野である。原子力発電技術の世界への伝達、特に管理システムの維持についてのノウハウ伝授においても、日本原電の研修施設と相俟って、大きな役目を果たしそうである。
ウランやプルトニウムの放射線の照射によって、物質の物性が様々に変化することは周知の事実である。この分野の研究も大いに期待してよいと思われる。理論から実験へと進めることが出来る新しい研究分野である。
原子力工学はスリーマイル島やチェルノブイリの事故以来、長い期間休眠状態のままに放置されてきた分野であり、研究者の高齢化が心配される程である。この新しい研究所に、国内外の最高の権威を集めて、21世紀型新産業を創造する源泉に育て上げていただきたいものである。
2010年02月02日
固定資産税と地価
平成22年2月2日
固定資産税と地価
地方都市の中心市街地の空洞化は、20世紀の悲劇である。そしてこの傾向は、日本だけの現象ではない。世界の各地、特に先進国で起きている。背景にあるのは、モータリゼーションである。車社会の急速な発達がもたらした陰の部分である。人々は郊外に住みはじめ、中心市街地から脱出しだしたのは車社会の発達と時期を同じくする。そしてあらゆるものが、その流れに追随していった。空洞化はあっという間に広がった。ダウンタウンのゴースト化である。そして残っているのはゴーストタウンの不動産価値の下落と、高止まりしている固定資産税の矛盾である。
日本の地価は、一つの土地に幾つもの価格がある。売買される実際の地価と、固定資産税評価の地価と、相続税評価の地価と、路線価などである。この固定資産税評価の地価と実際の地価との乖離の大きさが問題なのである。ゴースト
化である。そして残っているのはゴーストタウンの不動産価値の下落と、高止まりしている固定資産税の矛盾である。
日本の地価は、一つの土地に幾つもの価格がある。売買される実際の地価と、相続税評価の地価と、路線価などである。この固定資産税評価の地価と実際の地価との
コンパクトシティ構想は、省エネ国家を目指す日本や先進国にとって当然の帰結である。ところがその実現の前に大きく立ちはだかっている「高止まりしている固定資産税の壁」を何とかしなければならない。これは一朝一夕で解決できる問題ではない。しかし一刻も早く解決しなければならない問題である。
2010年02月01日
平成22年2月1日
海外流出
生産手段が海外に流出していく傾向は、最近のデフレ傾向による消費者の買い控えに原因がある。人々はより安い商品を選ぼうとする。人件費の高い国内工場では、低価格に見合う製品の生産が、不可能になりつつある。そこで工場の海外流出が始まった。特定の業種にとどまらず、幅広い分野で、海外への工場移転が行われている。成果は十分という企業と、まだまだという企業、そして失敗だったという企業などに分かれており、是非を論じることは難しい。
昨年まで、日本が海外に投資したものからの果実の送金が、過去最高を記録した。海外への直接投資が進んでいるのである。最近の不況により、優良企業の設備投資熱は冷え込んでいる。そして余剰資金は、投資先を求めて、リスクをはらみながら、海外へどんどん流出を始めている。
海外への工場移転や、資金の海外流出は、日本の税制にも問題がある。高すぎる人件費、高すぎる交通インフラコスト、高すぎる税金、そして高すぎる物価がある。これ等の引下げ、それもドラスティックな引下げを行わないと、日本の工場も、日本の資金もすべて海外に流出してしまうことになる。
流出した後で、帰ってこいと言ってもこれは無理である。「コンクリートから人へ」と民主党は予算の基本方針を示しているが、私はこれはおかしいと思っている。ムダな投資をやめて、資金の有効活用をするべきである。コンクリートはまだまだ必要である。日本海側に新幹線はない。高速道路は通っていない。国土軸の建設はまだ十分ではない。これからである。内需拡大の為の国内投資への、資金の誘導が不足している。賢明な代議士諸君の適切な対応をお願いしたい。
世界は日本からの直接投資に対する期待も強いが、アメリカが果たしてきた役割を、日本が少し肩替りすることも期待している。輸出立国としての日本から、輸入大国への転換である。それには国内への資金誘導、投資奨励が行われなければなるまい。