自殺者3万人超の国

平成22年4月8日
自殺者3万人超の国

食料が足りないのではない。お金がないわけではない。でも大切な何かがない国。日本。そう、日本では毎年3万人を越える人達が自ら死を選んでいる。何かが間違っているのである。
私は高校へ入学してすぐ友の自殺に出遭った。彼は中学生の短距離記録の保持者であった。彼がリレーのアンカーになると、何人も先を走る選手をごぼう抜きに抜き去って優勝する。私達のヒーローであった。その彼がある県外の高校のスカウトにより他の高校へ去っていった。そして、約半年後彼の自殺を聞いた。ご両親から涙の報告を聞いた。なぜ私達と同じ高校へと強く誘わなかったのかと悔まれた。お母さんの言葉「あの子が注文した文学全集が毎月1冊ずつ届くのがつらい」。初恋も、自信喪失も、孤独も、理由を捜せばいくらでもあろう。しかし残された者の悲しみ、苦しみを考えれば、死を選ぶことはなかなかできないはずである。
東尋坊は自殺の名所である。ここへ死を選んでくる自殺願望者が多い。この人達を瀬戸際で助っている人がいる。数知れない程の人達を助っている地元の人がいる。個人である。グループではない。でもこの人の行為は「神や仏の行為」である。
「グリーフサポート」という言葉を聞いた。これは自殺した人の家族を支援する人のことだという。かつては仏教寺院の僧侶や神社の神官が相談にのっていたことが今では医師やボランティアの人々の支援にかわってきている。そしてその自殺者の増加と共に、そのニーズがどんどん増してきている。毎日新聞の記事で、同志社大学の四回生の女性が、肉身の自殺を契機に、悲嘆の海から立ち上り、「グリーフサポート」ビジネスを立ち上げたいとの報道に接し、感激した。
若いということは何ものにも替え難い「すばらしい力」である。世の為、人の為に、困難に向って、挑戦しようというその姿に拍手を贈りたい。

投稿者: jsb 日時: 2010年04月08日 18:04

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