原爆から65年

平成22年8月11日
原爆から65年

8月6日の広島原爆投下から65年が経過した。続いて長崎へも。私が小学校3年生の夏のことであった。私達は直接の被害はなかったが、「新型爆弾だ」という噂は風のように全国に広まっていた。今年初めて国連の潘基文事務総長とアメリカのルース駐日大使をはじめイギリス、フランスの大使も広島の原爆死没者慰霊「平和祈念式(記念式典)」に出席した。戦後65年ぶりのことである。何と長い年月がかかったことか。正に感無量である。「パールハーバーを忘れるな」というアメリカ市民がいるが、ハワイはアメリカが強奪した平和の島である。そしてアメリカの極秘文書の公開により、パールハーバーを日本に攻撃させるのはアメリカの作戦だったことが既に明らかになっている。日本はハワイの市民を攻撃したのではなくパールハーバーの艦船や飛行場を攻撃しただけであり、広島、長崎の無差別爆撃で市民20万人余を一瞬の内に焼き殺した残酷なやり方とは全く違っていたのである。
 第二次世界大戦の前に、日本の外交官は勿論のこと、民間人も日米開戦回避のためにアメリカを訪問し日米親善を説いて歩いたのである。日本のロータリアンも旧知の友人のメンバー達を通して親善が続くよう必死の努力をしたとの記録が残されている。
しかし開戦が仕組まれ、在米日本人は日系一世、二世に関係なく収容所に強制入居させられ、財産没収の憂き目にあったのである。私はアメリカに留学し、友人知人も少なくない。アメリカ人のフェアで明るい性格は好きであるが、戦争が人を変えるのであろうか。戦争中のアメリカ人のやり方は決して正しいこととは思えない。そして65年もの長期間「平和記念式典」に出席しなかった態度も正しくない。
今年は世界から74ヶ国の代表が出席したとのことである。私は来年から毎年国連加盟国すべての代表に、平和記念式典への招待状を出すべきだと思う。全加盟国の列席の下、世界平和を祈る式典が広島、長崎で開かれれば、核兵器廃絶の私達の願いも実現に一歩近付くことになる。「歯には歯を、目には目を」では地球は亡びてしまう。「戦死者の数」で、戦死者を相殺できないのだ。報復反対である。報復は憎しみを増幅するだけだ。平和を願う気持はすべての人の心に宿っている。その気持をひっぱり出す為の鎮魂式をやろうではないか。
日本の首相は中国、韓国をはじめアジアの激戦地をまわり、献花し、お詫びをして歩くことに意義がある。パールハーバーへも行くべきである。お互いに許しあう気持を、行動に表わすことにより、お金で買えない感動を与えてくれる。そんな政治を期待したい。

投稿者: jsb 日時: 2010年08月11日 09:27

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