福井県の地酒

平成22年8月9日
福井県の地酒
地産地消の最たるものは地酒である。私は県内の市長を歴訪し、その市の特産品について意見交換を行い、その特産品の知名度を上げ、販売促進するための名案をさぐっている。そして各市長が、長い歴史と伝統と知名度の高い「地酒」を地域の特産品の第一に上げるのに気付いたのである。
そこで福井県の地酒について少し研究する必要を感じ、酒造組合や酒販組合、そして知り合いの酒造メーカーを訪問した。私は同志社大学を卒業し、そのOB会の役員を長く務めさせていただいていたので、数人の先輩がオーナー蔵元であるのを知っていた。蔵元は、トップクラスのお金持であった。
福井県の最近の酒造メーカーの変遷を調べて、その実体のすさまじさに息をのんだ。日本酒は焼酎やワイン、ビールや発泡酒そして新ビールなどに押されて、年々需要が減少しているのである。現在37蔵ある。そこで、この37の酒蔵を歴訪し、「福井県の地酒復活」の戦略を聞くこととした。日本料理が世界でもてはやされているように、日本酒も世界へ出ていく日が来ることを願っている。
地酒は日本の伝統文化である。地酒は工芸品である。独特のおいしい酒を作り、それを日本中の人に飲んでもらいたいという熱い思いを説く蔵元の声を聞いた。地酒は、米の食文化の華であり、世界に類例のない並行複発酵によって造られている。全身全霊をこめて造られているのは、蔵を訪問してみるとよくわかる。地酒は他のアルコールと異なり、日光や蛍光灯などの紫外線に弱い。特に温度変化に敏感で、味が劣化するおそれがある。蔵元で大切に造られ、保存されていても、販売時、運送中や展示中に粗野に扱われると品質が低下するほどセンシティブである。十二分の配慮が必要である。販売の第一線での管理スキルのアップが望まれる。
日本酒の杜氏には各流派がある。越前、能登、越後、丹波、丹後、但馬、山内、南部、志太、諏訪、柳川、芩屋などである。杜氏の技の継承は地酒を守る生命線である。販売の第一線と共に、杜氏の伝統は重要なポイントであることを忘れてはなるまい。

投稿者: jsb 日時: 2010年08月09日 11:32

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