円高

平成22年8月30日
円高

サブプライムローンなどの証券化商品をはじめとするデリバティブの異状な拡大と、その頂点におけるバブルの破裂によって今回の経済危機がおきた。その狂乱した想定元本は6京円(1兆円の6万倍)といわれる。6京円は日本のGNIの100倍、世界のGNIの10倍である。いかにデリバティブが野放図に行われたのか、考えられない非常識がまかり通ったのかよくわかる。
そして現在の世界は、各国政府の出動により、資本不足に陥った国に対して資金の提供をはじめたのである。それはアイスランド、パキスタン、アルゼンチン、ウクライナ、そしてギリシアにまで及んできた。各国はその資金を補充するため資金援助を他国に要請した。そしてその不足額を自国通貨の発行、即ち国債の発行により調達せざるを得なくなりつつある。そして未消化(買い手のつかないもの)の国債を中央銀行自ら買うという禁じ手を使わざるを得なくなってきた。
信用不安により、各国が信用供与を高めるため、通貨の増発に踏み切っているのである。
 円高の側面をみると、1984年の1ドル80円を今回は割り込むという意見もある。USAやEUの不安が深刻化してくると見ているのである。お互いの輸出伸長を目指して、為替相場を自国に都合のよいように調整していると考えれば、日本円の独歩高がよくわかる。日本は打つ手があまり残されていないのである。
私達は、輸出をする場合は、いくら円高になっても競争力を失わない高品質(日本流の高品質ではない)の製品を作る必要がある。輸入をする場合は、有利になるので、円高が続けば輸入が増えるのは間違いない。
需要が減少する中で、デフレスパイラルがおき、通貨の供給量が急激に増えると、デフレから急激なハイパーインフレがおきる危険性がある。USドルの急激な下落がその引き金になるかもしれない。時代が大きく変っている。しっかりと見極めながら対応を誤らないよう注意していきたい。
 

投稿者: jsb 日時: 2010年08月30日 10:31

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