悪しき個人主義

10月15日
悪しき個人主義
「我利我利亡者になるな」といったのは私の祖父だった。食糧難の戦後、畑から野菜を収穫し、それを自宅の前の川でよく洗わせられた。その野菜を近所の家々へ持っていけというのである。あの家は子だくさんだから倍の数をもらってもらへ。あそこは年寄り1人だから少しでよい。とれたての野菜を近所に一軒づつ配って歩いた。勿論タダである。いや「あげるのではなく、もらってもらえ」と教えられた。その数少い野菜が、どれ程の効果があったのかは、私は知らない。しかし祖父から学んだのは「世の為、人の為に生きよ」という素朴な教えである。町内のみんなが家族という思いである。乏しい物を共に分けあう麗しい隣人愛である。豊かになった今、私達に残っている礼節や慈愛の乏しさに悲しくなる。「くれくれもっとくれ」と叫ぶ人々を見ると悲しくなる。権利を主張する前に、まず義務を果しているの?とついつぶやいてしまう昨今である。

投稿者: jsb 日時: 2012年10月15日 13:50

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