寺院における能楽の夕べ

10月26日
寺院における能楽の夕べ
今年もまた京都、大徳寺、瑞峯院で「寺院における能楽公演」が施行された。久しぶりにすぐ目の前で片山九郎右衛門の演ずる「井筒」を鑑賞した。能舞台と違って1mと離れない至近距離である。朗々と響くシテ、ワキ、アイそして地謡はやし方が揮然一体となって目の前にある。正に室町時代の能がはじまった観阿弥世阿弥の頃へと溯ったおもむきである。文化庁の地域伝統文化活性化事業と京都府の支援を受けて既に三年目、三回目の開催となった。キリシタン大名の大友宗麟が大徳寺の中に建立した瑞峯院の方丈で行われたが、この方丈は、477年前に建てられた由緒あるもので枯山水の庭と共に私の好きな空間である。福井にも先人達の努力によって福井市に能舞台がある。そこで観世流や加賀の宝生流の演能を見る機会が少くない。朝倉遺跡での薪能も悪くないが、文化庁や県の支援を受けて、寺院での観能会の開催を提案したい。福井は人口割では神社仏閣の数では日本一であり、演能の可能な古寺古社にことかかない。福井県版「社寺における能楽公演」を観世流・宝生流の竟演で毎年開催することにしてはいかがであろうか。十年・百年と続く福井県の伝統文化遺産を守る事業として、大切に育てていくことが期待できよう。

投稿者: jsb 日時: 2012年10月26日 09:26

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