井深大さんの思い出

3月28日
井深大さんの思い出
小さかったソニーを世界の大舞台に引き上げたのは井深大(まさる)さんである。私は岐阜に住んでいた頃親しく話をする機会をいただいた。そして今でもしっかりと覚えているのは二つの忠告である。その1つは「人は少数になれば、精鋭になる」という言葉だ。必要にせまられたら、人は何倍もの能力を発揮する。大切な会議は大勢でやるな、多いと必ず失敗する。少い方が真剣になる。この教訓がその後どれ程私を助けてくれたか判らない。次の1つが「リーダーは朝令暮改を恐れるな」だった。この言葉は私の直属の部長からも、言葉を替えていわれたので更に印象深い。部長は「情況の変化にいつでも即応できるように。手の平をかえしてもよい」と教えてくれた。人はつい自分の言葉に自分が縛られるケースが多いが、そんな事にとらわれる必要はない。「臨機応変」は戦場の常だとの教訓である。
井深大さんは90才まで生きられた。晩年に全国を歩かれての指導であったが、その言葉は未だに含蓄が深く、私の胸を去来してやまない。

投稿者: jsb 日時: 2013年03月30日 09:33

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