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軽井沢新聞社
9月9日
軽井沢新聞社
吉村祐美著「文学者たちの軽井沢」を手にして読んだ。軽井沢に住んだ文学者が、小説やエッセイでとりあげた『軽井沢』を集めたものでなかなか面白い。有島武郎「信濃日記」、川端康成「軽井沢だより」、堀辰雄「美しい村」、芥川龍之介「軽井沢日記」などを紹介している。出版社が軽井沢新聞社となっていたので、吉村さんが編集委員かと思い訪ねてみた。ところが出てきたのが雑誌「軽井沢ヴィネット」の編集長広川美愛さん。著者の吉村さんは部外の方とのこと。広川さんによれば「母が36年前に雑誌をはじめたのがスタート」とのことで新聞は15年前からはじめ、別の編集長がいる由。印刷を外注する以外すべて内部で編集、レイアウト、製作、広告営業(アドエイド)を行っているとのことで、そのタフネスぶりに驚く。話がボランティア活動に及ぶと、母上が「軽井沢ベセア」という名でNPOの軽井沢の緑や森を守る運動をされており、弟さんが株式会社軽井沢総合研究所を通して、1900年ウィリアム宣教師の父と来日したエロイーズ・カニングハムの別荘を管理している。彼女は毎夏を軽井沢で過ごし、戦後は子供達のために毎月コンサートを開いていたそうだ。その弟さんをハーモニーハウスに訪ねた。エロイーズ・カニングハムさんが所有し101才で西麻布の自宅で亡くなられたので、ハーモニーハウスの横の建物を改装し、エロイーズカフェとしてオープン。若い感性と積極的な行動で、カフェも付属の貸別荘もオープン1年で見事に軌道に乗っている。弟さんからは多くの示唆を逆にいただいた。すべての建物(敷地は谷川沿いの深い森の中にあり1000坪)はレイモンドの弟子の吉村順三が1983年に設計。元の型がほぼ原型通り残されており、レイモンドの思想が残る貴重な別荘である。建築家の友人と再び訪れて、じっくりと細部を学びとりたい欲求を覚えながら再会を約した。エロイーズカフェで食べた三笠ホテル風ブラックカレーは絶品であった。
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