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2016年04月のアーカイブ
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2016年04月30日
年収４４０万円
4月30日
年収４４０万円
日本の国民所得は約３５０兆円である。雇用者賃金、財産所得、企業所得の合計を国民所得という。人口１億２８００万人で割ると１人当たり２７３万円余りとなる。１世帯２．４人とすると１世帯当たりの国民所得は６５６万円となる。国民所得の約６割が雇用者賃金で、３９４万円であり、利子・配当・保険・賃貸料などは約０．６５割で４３万円で合計すると４３７万円が家計の平均年収となる。これは、中世ヨーロッパの貴族並の所得であるという。私達は今、先進国といわれる国々の中世の貴族並の生活をしていることになる。福井県の例では、各世帯に２台以上の自動車があり、年収の５年分前後の貯蓄があり、豊かな自然に囲まれ、ゆったりと生活を楽しんでいる。小・中学生の体力、学力は毎年日本１、２位を占めており、幼保育園も十二分に備わっている。医療施設も多く、安全安心度では群を抜いている。そして求人倍率は東京を遥かに超える全国第２位の高さである。就職がしやすい所といえる。
世帯当たりの年収も全国トップクラスなので、経済的にも豊かな生活が待っている。福井県の問題点は若年層が進学のため東京などへ移住し、その後帰ってこないケースが多いことだ。その為には魅力的な受け皿作りが必要といわれている。私は受け皿は既にあると思う。その受け皿を若い連中に伝える努力が不足している。福井の魅力を地元の私達が十分知ったうえで、それを若者に伝えていく必要がある。年収４４０万円を遥かに超える福井の人々は、中世の貴族並の家に住み、農園を持ちゆとりがある生活を送っていることになる。これ程の贅沢はない。
2016年04月29日
着物を着る機会
4月29日
着物を着る機会
着物を必ず着なければならない時とはいつなのかを具体的に考えてみた。演能の時は和服に袴着用が義務付けられる。茶道、華道も同じである。新生児の初参りの親子や七五三の親子などであろうか。後はイベントの時ぐらいしか考えられない。世界一美しい民族衣装といわれる日本の着物が急速に埋没していくのを心配している。もう一度全盛期のような着物文化を復活させたいと考え、必死に無い知恵を絞り出そうとしているが、なにか妙案はないであろうか。長浜ではまちなかで7月に「ゆかた祭」10月に「きもの大園遊会」11月に「きもの大学」が開催され、その日はまちなかが着物姿で沸きかえる。京都では1996年第1回きものサミットが開かれ、きものショーは毎年開催され2005年50周年を迎えている。やはり「着物は京都」のイメージが強い。日本各地で「着物を着るイベント」を開催してもらえるいい知恵はないであろうか。着物を着る機会を増やし日本の着物文化の復活を願いたい。
2016年04月27日
第3次産業
4月27日
第3次産業
ものづくり世界トップクラスを走っていた日本は、最近ではすっかりヨーロッパ並みに第3次産業が約4分の3を占めるようになった。就業人数では5分の4を占めている。この現状に対して国は的確に対応しているのであろうか。例えば国の打ち出す補助事業についても最もウェイトの大きい第3次産業向けのものが少ない。生産高で75％、就業者数で80％を占める第3次産業に対する刺激策を打たなければ効果は薄い。例えば消費の低迷からの脱却はデフレ対策の第一の要件である。ところが対応策が金融緩和などの間接的なものに限定されている。より強固な第3次産業振興策が打ちだされるべきである。インバウンド対応のインフラ整備が進みつつあるが、更に観光施設、ホテル整備等への投資が望まれる。カンフル注射は漢方薬ではない。効果のより高い即効薬でなければならない。今、地方の商店街は瀕死の危機にある。この対策は焦眉の急である。そしてそれはデフレ脱却への特効薬となろう。
2016年04月26日
京都しあわせ倶楽部
4月26日
京都しあわせ倶楽部
ＧＮＨが世界中に認識されるようになってきた。「ＧＤＰでなくＧＮＨだ」といった方が良いかもしれない。グロスドメスティックプロダクツのＧＤＰ（国内総生産量）でなく、グロスナショナルハピネスのＧＮＨ（国民総幸福度）。経済指標でなく心の豊かさや平和の追求を国家目標、ひいては世界の国々の目標にしようとブータン王国が国連で提唱した。そして先進国が次々と研究に乗り出している指標である。先日ＰＨＰ研究所の本を購入したところ栞が挟んであった。「京都しあわせ倶楽部」と書かれている。ウェブで検索したところ昨年９月にこの名前で新刊を出したとのこと。良い名前である。私は京都というところを福井と読み替えたい。福井しあわせ倶楽部を創りたい。福井には京都以上にブータン風の幸せが満ち満ちているように思う。人々が福井を訪れ、ほんとうの幸せについて考えてくれることを願っている。
2016年04月24日
遊休アセット活用
4月24日
遊休アセット活用
地方創生の目玉は「遊休アセット活用」である。私はこれを20年前から全国各地で実行している。その心は「勿体ない思想」である。子供のころから両親に連れられて京都へ行った。鈍行に乗って朝早く長浜を出て、夜遅く帰ってきた。汽車の窓から見る景色と京都の四条通りの景色の差はまことに刺激的である。その頃からビルを見ると階高を数える習慣がついた。ビルの谷間で平屋の古家を見ると「ああ勿体ないな、隣のビルと同じように立て替えたら〇階分が稼げるのに…」と嘆息した。スペースだけではない。勿体ないのは時間との関係だと気付いたのは20年前。その頃コインパーキング事業に乗り出した。月極駐車場の空きスペースの無駄を時間貸しにすることで遊休アセットビジネスを始めた。これを全国各地を説明して歩き、今やこのコインパーキング事業が私の本業である。さらに福井駅前の凋落ぶりを見て、まちおこしの研究会を立ち上げた。そこで遊休アセット活用の対象がビルや中古マンションに広がり、さらには文化遺産、「福井らしさ」の商品にまで広がっていった。今では福井の新しい魅力づくりに精を出している。昨年1月2日よりこの「福井らしさ」を流布するために「インターネット放送」を開始した。私達が全国行脚でその必要性を説き、そのビジネスの有効性を説いた「遊休アセット活用」が時を得て、もてはやされるようになったことは私の本望である。遊休アセット活用の本番はいよいよこれからである。日本には、地方にはまだまだ遊休アセットが存在する。孤島や陸の孤島、廃寺や廃神社、古民家や廃校などいくらでもある。これ等を生かす方法を考えることは私の義務であり、生甲斐である。そして次の遊休アセットは日本各地に眠っている日本文化の象徴「着物」である。着物を遊休アセットの一つと見てこの再活用ひいては着物文化の復活のため余生を送りたい。このことに気付いたのはブータンとの交流の中でブータン人が制服として常に着用している男性のゴ、女性のキラと呼ぶ民族衣装の美しさによってである。誇り高いブータンの友人たちの気高い姿にいつも感心する。凛としたその衣装は日本の着物文化の復活をうながしているようだ。
2016年04月23日
福井へおいで
4月23日
福井へおいで
なぜ東京なの？福井には東京にないものが一杯ある。豊かな自然があり、おいしい食べもので一杯。住まいも安くて広くて上質だ。職業も楽しく働けるところが多い。それでもまだ東京がいい？もし福井にないものがあれば一緒に作ればよいではないか。私はどんな有名人でもミュージシャンでも展覧会でも「福井へ呼んじゃえ」を実行している。人間にとって大切な「おいしい水」「うまい空気」「お米」「お酒」「カニエビ魚」「新鮮な野菜」そしてなにより大事な「人間関係」が福井にはある。子育てに最高の土地それが福井である。日本中、世界中を自分の足で回ってやっと55年、判ったのがこの事だ。
2016年04月22日
過剰貯金社会
４月22日
過剰貯金社会
日本経済の低迷は「失われた十年」といわれる１９９０年代から２０００年代にかけて顕著になってきた。国や地方公共団体の借金が増加するのと時を同じくして国民の貯蓄が膨れ上り、今や世界有数の過剰貯蓄社会を築き上げてしまった。経済は投資と貯蓄のバランスが重要である。貯蓄が積み上がると当然経済の活性化が失われていく。日本は完全に過剰貯蓄社会になってしまっている。この解消のためには勇気のある政策が必要となる。先行きに不安を感じるから貯蓄に走る人が増える。老後不安もあろう。世界経済の破綻や戦争の脅威もあろう。とに角不安からである。不安は限界がない。その為日本の個人金融資産はあたかも際限がないかの如く増加し続けている。その活用への対応策を強く望みたい。株式相場の安定のための基金への誘導や国土強靭化への投資など用途はいくらでもある。
2016年04月20日
地価の下げ止まり
4月20日
地価の下げ止まり
北陸新幹線の影響もあり、金沢、富山の地価は反転し、上昇機運が高まっている。観光客数は金沢では2〜3倍、福井では2〜3割増となった。福井駅前の大手ビルの基準地価が13年ぶりに上昇となった。福井県下では最初の快事であった。私の会社の所有ビルだけになお印象が強い。長年に亘る地価の下落は地方都市の駅前商店街の活力を奪ってきたが、いよいよ底を打つ時が来たようだ。どん底からの復活を期待したい。大学連携センター「Fスクエア」がいよいよオープンする。郊外に散在している各大学が「Fスクエア」で一つになり駅前に若者達が帰ってくる。そしてさらに目前に迫ったハピリンのオープンが新しい風をもたらしてくれるであろう。
2016年04月19日
キーワード
4月19日
キーワード
福井県のキーワードを捜してみよう。先ず第一に挙げるべきは、すべての日本人が求めている「幸福日本一」。そして“神仏”と共に暮らすことで育まれた「信仰心」。真宗王国であると同時に禅宗王国でもある。神社仏閣の数は日本一。「四季のはっきりした自然環境」。白山系の山々をはじめ山に積もる雪や雨が地下深く浸透し、豊富な地下水脈を形成、豊かな水と土をもたらし、高山、里山、河川、湖沼、海の恵みを提供してくれている。そして「子育て日本一」を忘れてはなるまい。小学生・中学生の学力体力が日本一なのである。３世代同居や裕福な家庭が多く、近隣のコミュニティとの濃密さからくる子供への教育、指導が行き届いている。「健康長寿」も大切なキーワードである。医療福祉施設が整備され安心できる老後が用意されている。そして政治的に安定した「保守王国」。戦後でもごく最近では選挙区選出議員は殆どすべて保守系議員である。全国でも唯一。嶺南地方は「日本最大の原子力発電地帯」であり、県産品の最大のものは電力である。原発のもたらす恩恵を５０有余年に亘って享受してきた。同時に原子力を平和利用する学問や研究がようやく芽生えつつある。白亜紀の地層から発掘された恐竜を活かした「恐竜博物館」。その後世界３大恐竜博物館に数えられると同時に、恐竜研究のメッカになりつつある。縄文文化の発掘も多く、丸木舟や朱漆塗りの櫛の出土もあり「縄文博物館」もユニークである。更にそのすぐ近くの水月湖は「年縞」で一躍世界中の脚光を浴びた。南極の氷から測定した過去を測る物差しが、水月湖底の泥柱にとって代わったのである。７万年前までの精密な年代測定が可能となり、その間の気象変動などの測定が可能となった。天皇家の祖といわれる継体天皇が育ち、この地を治めた頃から脈々と続く１５００年の伝統文化「越前和紙、漆器、打刃物、焼物」なども忘れてはなるまい。海の珍味、越前ガニ、若狭カレイ、甘エビ、鯖なども重要なキーワードである。更に幕末維新に日本のルネッサンスを創り上げた「松平春嶽公、橋本左内、横井小楠、由利公正」等の人物がいる。公式合体から江戸無血解放、そして明治新政府樹立までを主導した先人達である。大野藩は大阪の適塾をしのぐ大野の適塾を作り上げ、「大野屋」の名の下に全国に藩営の販売所を作り樺太まで雄飛したことも忘れられない。また「紫式部」が越前の府中、現在の越前市に滞留し歌を詠んだこと、「松尾芭蕉」が越前そして敦賀の地で多くの句を残している。また「北前船」。敦賀から小浜にかけては天然の良港に恵まれている。越前若狭は古くより医者坊主といわれ、有名な医者や僧侶を数多く輩出してきた学問の先進地である。数え上げれば誠にキリがない。それ程魅力に富んだ福井県であることに改めて気づかされた次第である。
2016年04月17日
沖縄の風
4月17日
沖縄の風
石垣島へ移住した越田さんご夫妻から小包が届いた。包装紙の地は黄色、そして守礼門、シーサー、蝶、パイナップル、ハイビスカス、沖縄本島等が赤、緑、黒色でデザインされている。一目見ただけで沖縄からの風を感じる。中には西表島、波照間島への日帰り旅行のスナップをはじめ数々の思い出の詰まったCDが同封され、琉球ガラスのコップ２ヶが入っている。ミンサー柄でこれまた沖縄そのもののプレゼント。春先の彼岸すぎの私達に暖かい南の風が吹いてきた。そして最後に、地方創生のすばらしいアイデアの詰まった文章、また子や孫への切々たる思いのたけを聞いた。矢もたてもたまらず石垣島へ電話し、お二人の元気な声を聞き、安心した。日本橋の三越百貨店の本部長時代から二十年あまりのお付き合いで私達の会社の役員もお勤めいただいた有縁の友である。
2016年04月16日
フクビ化学工業
４月16日
フクビ化学工業
福井の産業界を代表する名門企業である。建設資材と車関係の合成樹脂製品の製造加工の大手である。親会社の八木熊は創業１２０年の老舗で、福井県の繊維産業を底辺から支えた優良会社。社長の八木誠一郎氏は現在福井経済同友会の代表幹事を務めており、一夕、「フクビ化学工業」の沿革や今後の未来像につき話を聞いた。真新しいところでは、長年培ってきた「エアサイクルシステムの実験棟」を本社工場内に建てるとのこと。私は単なるショールーム的なものよりも「まちなか」に作って多くの人に実感してもらえる施設にしたらと提案。「環境を科学する会社」「黒字の中で、先行投資型、未来創造開発型の赤字を育てる会社」「設計までは自分でやるがブランド開発、ソフト開発などは他社と組んでやる」「コアの異形押出技術は負けない」「環境との共生をはかる」などのユニークな経営方針を聞かせていただいた。日本の住宅は住宅メーカー主導で、世界一省エネ効果のよくないもの、耐用年数２０年の短命なものになってしまっている。私はプレハブ住宅の数種類にしばらく住んでみて感じたのは、外国産のものに比較すると省エネ効果を高める必要があることだ。その点「エアサイクルシステム」は大いに期待が持てる。また断熱材との共用により世界トップレベルの新しい住宅が誕生することを期待したい。一部上場へ向けて前進し、福井県を代表するだけでなく、日本の超一流企業への発展を祈りたい。
2016年04月15日
どんどんなくなる正倉院宝物
4月15日
どんどんなくなる正倉院宝物
正倉院宝物の展示は、奈良へ行くと見ることが出来る。宮内庁正倉院事務所の技官から、染織品についての調査研究の発表を聞く機会があった。１３００年前から始まった正倉院宝物の収蔵物は３つの際立った特長がある。その１つは由緒来歴が明らかであること。２つ目はその種類、数量そして用途が多いこと。３つ目は文様に世界性があること。この文様の世界性について約２時間程の講演を聞いた。驚いたのは年々正倉院の宝物が無くなっていくとのことである。繊維製品なので、経年変化によって古く良いものからどんどん消滅していくというのである。そういえば江戸初期の京人形を持っていたが、着物が古びてきて何十年も経年すると無残な形にしぼんでしまう。徐々に消滅してしまうとのことである。デジタル写真で永久保存が出来る方法を確立しなければなるまい。奈良時代の匠の技の素晴らしさを長く伝える必要がある。文様の世界性については、中国やペルシャ、更に遠くギリシャ、ローマからの伝来品やその複製品から考察すると、千年以上もの昔から交易を通して文化は広く伝播していたことがうかがえた。そして流入した文化が日本において更に高度に発達し、日本独自の文化を形成していったことに気付かされた。
2016年04月13日
ベストセラー
4月13日
ベストセラー
本屋大賞が人気だ。芥川賞や直木賞は長い歴史を持っているが、この本屋大賞の人気はそれ以上かもしれない。日本人の感性が如実にあらわれている。そこで、ブータンミュージアムで昨年売れた本を調査し、ベストセラーを選定した。
次の通り
１．今枝由郎著 ダンマパダ＜ブッダの真理の言葉＞ （トランスビュー）
２．木村順子著 幸せの国ブータン 智恵と言葉（朝日出版社）
３．ペマ・ギャルポ著 ワンチュク国王から教わったこと （PHP研究所）
４．今枝由郎著 スッタニパータ＜ブッダの知恵と言葉＞ （トランスビュー）
５．高橋 洋著 ブータン雲の国の子供たち （大東出版社）
６．今枝由郎著 ブータン−変貌するヒマラヤの仏教王国− （大東出版社）
ベストシックスの中に今枝由郎先生の本が３冊も入っている。ブータンミュージアムへ何度も来られて、講演会や座談会を開いていただいたおかげであろうか。また、ブータンミュージアム通信への寄稿もお願いしている。人の縁が深まるにつけ、より密接な関係が構築され、お互いが認め合うのである。先生は相変わらず日本とブータン王国を行き来しながら両国のためにご尽力いただいている。まさに貴重な存在である。私達にとっても先生以上の存在はない。
2016年04月12日
RC地区大会
4月12日
RC地区大会
RI第2650地区の今年度地区大会が京都で開催された。桜満開の平安神宮のそば、ロームシアター京都で初めての大会となった。中沢忠嗣ガバナーが挨拶の中で強調した新しい地区大会の運営方式での開催となった。今迄の宝ヶ池国際会議場から今回の岡崎のロームシアターへの変更はキャパシティ不足となり、一堂に会することにはならなかったが壇上の雛壇がなくなった分だけシンプルな会となった。ポールハリスの「親睦は素晴らしい」との言葉が久しぶりに聞けたことも京都南クラブ選出のガバナーらしい発言である。京都南は地区最大のマンモスクラブで、その親睦活動において他の追随を許さない。趣味のクラブの多いこともピカイチである。全員登録224名は今年も日本一であろう。物故者名の中に�眦長桧譟∨拆豌輊廖⊆鮴己孤Г琉斃Г量召鮓�つけ、生前の面影をしのんだ。
2016年04月10日
ネットの力
4月10日
ネットの力
地方創生に最もふさわしいのは、インターネットの活用である。ネットの力を利用することで地方は蘇る。ネットの力をどの分野にどう生かすのかがこれから問われることになる。地方には魅力が一杯ある。本物の魅力である。ところがその本物の魅力に誰も気付いていない。これを認識し、その魅力を培養、育成し全国に全世界に発信していけば地方は一気に発展を遂げる。では、地方の魅力とは何か。これが問題だ。地方は一つでない。北海道は北海道特有の魅力があり、沖縄はまた一味も二味も違う魅力がある。地方を一括りにしてその魅力を探るのでなく、その地方特有のものを発見し、これをアピールするのである。その時活用できるのがネットの力である。今、日本の各地に眠っている宝物のことを考えると私は眠れないほどの興奮を覚える。老若を問わずこの地方の宝物の発掘に全力を上げてほしいものである。
2016年04月09日
産業構造の変化
4月9日
産業構造の変化
バブル崩壊後20余年が経過した。その間雇用形態が変化し、終身雇用制度が破壊され、一億総中流といわれた日本社会はじり貧の状況に落ちていった。1980年3,250万人の労働力人口は、2010年4,450万人と37％もの大きな増加となっているにかかわらず、ＧＤＰは増加していない。これは、失業者数の増加となって表れており、1980年の完全失業者114万人が2010年には334万人と293％と激増している。貧富の拡大が心配される所以である。産業構造も大きく変化しており、製造業のシェアは年々減少し今や15％となり、第1位の座を卸・小売業に譲った。最も伸長しているのは医療福祉の分野で、年々増加し毎年5％前後の伸長である。次いで、宿泊飲食業で2％前後の伸長となっている。情報通信・運輸の分野も微増を続けている。「地方はものづくり」という国の指導方針は、地方の現状と将来の可能性についての考察が不足しているように思われる。雇用形態の是正と、地方での第3次産業や第6次産業の育成が望まれている。
2016年04月08日
ちりめんアート
4月8日
ちりめんアート
長浜曳山祭が4月中旬におこなわれる。今秋日本の各地にある伝統文化の粋、「山車の祭」が世界遺産に指定されるといわれている。その「山車の祭」の中でも特にユニークなのが長浜曳山祭である。曳山の上が歌舞伎の舞台となっており、そこで子供歌舞伎が毎年上演される。役者はすべて小学生以下の子供ばかり。僅か数ヶ月の訓練で子供たちが曳山の上で熱演するのだから面白い。数十の演目を市民は殆ど知っている程だから見る方も熱が入る。その曳山祭の熱気をちりめんアートとして大作4枚と小品数点が長浜伝統産業館で展示されてている。ちりめん生地と生糸を使って気の遠くなるような時間と労力をかけた作品である。テーマは今年の出番を迎えた四つの山車をイメージした物で迫力満点である。その繊細さとデザインの美しさは思わず息をのむ程である。長浜曳山祭りが終わる4月17日まで開催（火曜日定休）
2016年04月06日
日本きもの学会
4月6日
日本きもの学会
京都で日本きもの学会が開催され出席した。「正倉院御物についての考察。染織文様の世界性」「健康によい着物と日本人女性の体格変化」「和服改良」「第21次西陣機業調査」などの発表があった。参加者は男女とも着物姿が多く、和装崇拝者の私には素晴らしい雰囲気であった。近くの京都産業会館では桜井よし子氏の講演会が開かれており、こちらの方も着物姿がチラホラ、京都市長も例のごとく着物姿である。学会は3時間を要し、各発表者とも長年の研究成果をデータに基づいて分析されており感心した。昭和30年（1955）にはじまった「西陣機業」に関する分析の結果は象徴的で、就業人員、企業数、織機台数とも毎年確実に減少しつづけている。そして今や最盛期の12％以下に落ち込んでいる。西陣の伝統を受け継ぐ若手が入ってこなければならないが、難しい。特に図案、衣装紋紙の分野が深刻だ。日本の着物の復活に力を注ぎたい。何をすればよいかを長浜のみなさんと相談したい。
2016年04月05日
藩校
4月5日
藩校
日本の大学教育のレベルは低い。評価も低い。ところが、中等教育（中学、高校）は世界最高クラス。日本の国力の源である。全国に数多くの名門校がある。だが、東大京大への入学者数を競う傾向にあり、私学信仰の篤い私としては大いに遺憾である。世界を見渡してみても先進国は私学の花園である。アメリカのＩＢリーグの名門校はみな私立である。勿論、パブリックＩＢはあるが、多少ＩＢの後塵を拝しているというと叱られそうである。その私はパブリックＩＢのミシガン大学アナーバー校で学んだことがあり、歴史そして名声、内容、学生、教授、設備の質の高さは身をもって体験している。
日本の学校制度の歴史をひも解いてみると、寺院の本山における教育制度、そして江戸時代中期から幕末にかけて林立していった藩校の存在を忘れてはならない。民間では寺小屋が日本全国に多数広がっていき、国民全体の識字率を上げ、常識の備わった社会整備に役立ったのである。特に幕末の藩校は各地の名門中学校の前身として、未だに各地で残っている、福井は明道館といった。福井駅前の中央通りにあった。今でも小さな石碑が建っている。藩校は日本の国体を守り、諸外国の外圧に対して遅れをとらないよう先人達が若者を厳しく教育したところである。この平成の世に藩校明道館の再興かと思われる私塾を立ち上げんとする若者がいる。心から応援の歌を高らかに歌いたい。
2016年04月03日
足羽山茶屋
4月3日
足羽山茶屋
桜の開花を前にして足羽山の茶屋を久し振りに訪れた。しつらえが花見の席に模様替えされている。開花と同時に花見客が押し寄せることであろう。足羽山、足羽川は福井市の宝物である。市の中心部に位置し、市民の憩いの場を提供してくれている。足羽山周辺には有名なお寺や神社も多く、博物館美術館も多い。JR福井からの観光コースをつくると人気は更に高まると思う。茶屋も年々充実して「おろしそば」も「でんがく」も健在である。私の楽しみは月に何回か足羽山で昼食をとることと、月一回は足羽山で一献傾けることである。特に春はよい。
2016年04月02日
日本の貿易
4月2日
日本の貿易
バブルがふくらんだ1980年代からバブル崩壊後までの35年の間、日本経済と世界の趨勢を見てきた。そして私達の先輩がどれほど世界の為に盡してきたかもつぶさに観察してきた。世界は先進国グループと発展途上国グループにわかれている。明治維新以後東洋の孤島日本は発展途上国から一気に世界のトップクラスの先進国に駆け上った。そして中国をはじめ、すべての発展途上国は日本につづけと叫び、日本モデルの研究に余念がない。今一度現状を分析してみよう。日本の貿易面から世界との関係を考えてみようと思う。現状の日本の貿易相手国15か国を調べてみて驚いた。輸出入(貿易)の相手国はアメリカ、オーストラリア、ドイツ、ロシアの4か国を除くと全てアジアの国々である。そしてこれ等15か国は総貿易額の4分の3を占めている。そしてかつて終戦まで日本であった韓国と台湾との貿易がいまだにベストファイブにとどまっている。中国との貿易が少しずつ高まっているのに反しアメリカとの貿易が少しずつ減少している。そして資源の輸入先のオーストラリアやサウジ、アラブ首長国の比率は変化が少なく、安定して輸入がつづいている。仲が悪いといわれる中国や韓国との貿易は互恵関係を保ち毎年順調に保たれている。首脳同士のコミュニケーション不足にもかかわらず、貿易は中国とがダントツの1位、韓国がアメリカに続く3位であり、親しい取引が継続している。それだけに、中国と韓国の国民感情に働きかける努力をつづける必要がある。日中友好、日韓友好の絆をもう一度強めていきたいものである。私達のロータリー活動の米山奨学金制度(世界トップクラスのもの)による日本への奨学生は、中国人が50％、韓国人がそれに続いている。戦後70年に及ぶ私達の先輩の陰徳を思うと同時に、この功績を両国民に伝える努力も大いに必要であろう。
2016年04月01日
入館料
4月1日
入館料
ブータンミュージアムの入館料を4月1日から頂くことになった。遠来の方は出費に抵抗はないと思うが、地元の人はどうなのかと心配している。展示品は年々充実してきている。また研究も進んでいる。説明するスタッフの知識も高まり、来館の方々の評判も上々である。私達のモットーは「心のゆとり」を感じていただくように心からのおもてなしに留意している。現在は「幸福のかたち」という企画展を開催中で毎日遠来の客を迎えている。
日本の医療福祉制度
4月1日
日本の医療福祉制度
世界でもトップクラスといわれる日本の医療福祉制度であるが、年々急激に赤字が増えて国家財政負担増の一大要因となっている。問題点は二つある。一つ目は、平穏死の観念が諸外国と違い、日本では無駄と思える程の過剰看護が病院で行われていること。二つ目は、病院看護の比率が高すぎて、他国でのような在宅看護の比率が低いこと。植物人間に対する胃ろうや末期がん患者の救命措置などが指摘されているが、二つ目の訪問看護システムを各市町村で確立するという手法を是非研究してほしいものだ。このニーズは高く、この効果は甚大だ。医療費削減の画期的な効果をもたらしてくれるであろう。医療福祉の問題は、国家財政を建て直す為の大問題である。心して議論を進めるべきであろう。